2012年04月30日
四国の川を旅する《四万十川 02》
高知にて
予約していた高知駅近くのホテルにチェックインして荷物を放り出し、休む間もなく外に出た。
目指すは『ひろめ市場』だ。
市内に川や水路が広がり、いたるところに橋がかかる高知市街地を歩く。
とても好きな景色だ。
帯屋町アーケード街を抜けたところにひろめ市場はある。
建物の中は月曜日だと言うのにかなりの人でにぎわっていた。
あらかじめ目をつけていた竜神丸でタタキ塩と四万十川の川海苔の天ぷら、ウツボの天ぷらと生ビールをオーダー。

カツオのたたきは今までの感覚を打ち砕くような味。
藁焼きの香ばしい風味に意外と柔らかな食感。
あら塩で食べるのも初めて。
薬味はネギにニンニク、玉ねぎ。
これを柚子酢につけつつ食う。
「うまい!!!」
…顔がすでにニヤけている。
川海苔、ウツボの天ぷらもうまい。
特に海苔は反則級のうまさだ。
香ばしい海苔の香りが口の中に漂う。
トマトとエビ塩を追加で食らい、ビールを6杯も飲んでしまった。
ひろめ市場を後にし、フラフラとアーケード街を歩く。
ノーチャージのバーに入った。
ウィスキーをロックで飲む。
ニッカの『余市』という文字が目を引くが、ひとまず白洲をロックでオーダーする。
ここのマスター、常連さん達と話がはずむ。
そう、これよ。人との会話よ。
ひろめ市場ではせっかくおいしいものを食べているのに、その感動を伝える相手がいなかったのだ。
この会話で生き返った気持ちになる。
ホテルへの帰り道、遠回りして高知の繁華街を歩く。
見たことのない風景、知らない人々。

でも。なんだろうこの感情は…
この素敵な街、人懐っこい人情、そして心地よい夜風に吹かれたら目に涙が溜まってきた。
「いかん、歳とったな…」
高知橋からの景色に見とれ、しばらくそこで過ごしたあと、ホテルに戻り風呂に入って寝た。
続きを読む
予約していた高知駅近くのホテルにチェックインして荷物を放り出し、休む間もなく外に出た。
目指すは『ひろめ市場』だ。
市内に川や水路が広がり、いたるところに橋がかかる高知市街地を歩く。
とても好きな景色だ。
帯屋町アーケード街を抜けたところにひろめ市場はある。
建物の中は月曜日だと言うのにかなりの人でにぎわっていた。
あらかじめ目をつけていた竜神丸でタタキ塩と四万十川の川海苔の天ぷら、ウツボの天ぷらと生ビールをオーダー。
カツオのたたきは今までの感覚を打ち砕くような味。
藁焼きの香ばしい風味に意外と柔らかな食感。
あら塩で食べるのも初めて。
薬味はネギにニンニク、玉ねぎ。
これを柚子酢につけつつ食う。
「うまい!!!」
…顔がすでにニヤけている。
川海苔、ウツボの天ぷらもうまい。
特に海苔は反則級のうまさだ。
香ばしい海苔の香りが口の中に漂う。
トマトとエビ塩を追加で食らい、ビールを6杯も飲んでしまった。
ひろめ市場を後にし、フラフラとアーケード街を歩く。
ノーチャージのバーに入った。
ウィスキーをロックで飲む。
ニッカの『余市』という文字が目を引くが、ひとまず白洲をロックでオーダーする。
ここのマスター、常連さん達と話がはずむ。
そう、これよ。人との会話よ。
ひろめ市場ではせっかくおいしいものを食べているのに、その感動を伝える相手がいなかったのだ。
この会話で生き返った気持ちになる。
ホテルへの帰り道、遠回りして高知の繁華街を歩く。
見たことのない風景、知らない人々。
でも。なんだろうこの感情は…
この素敵な街、人懐っこい人情、そして心地よい夜風に吹かれたら目に涙が溜まってきた。
「いかん、歳とったな…」
高知橋からの景色に見とれ、しばらくそこで過ごしたあと、ホテルに戻り風呂に入って寝た。
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2012年04月21日
四国の川を旅する《四万十川 01》
プロローグ
4月9日月曜日。
僕は肩に食い込む20kgの荷物を背負って、早くもバテ気味に新千歳空港のスカイマークエアラインチェックインカウンターを目指していた。
ひとまず千歳から飛ぶ先は神戸。
その先はまだ僕の知らない土地、四国、高知が待っている。
平岸水軍の北海道外初出張、本来なら期待に胸が高鳴っていてすでにニヤ顔でいるはずなのだが、この旅の出発はいつもと少し違い素直に笑顔になれていない自分がいた。
3月に仕事を辞めた。
勤務わずか6年少々。
採用時、僕は”専門職採用”的な枠で入社し、自身の意思とも方向性の合った技術的な内容の業務をこなしていた。
それがこの2年間は理解できないコンバートを強いられ、本来であればもう人を指導しなければならない立場にいたものを、全く畑違いの内容で2年生3年生と同じ仕事を、更に彼らに聞きながらの屈辱的な仕事を行ってきた。
その延長線上で転勤を命じられた。
やりきれない思いをずっと抱きながら限界ギリギリの線に2年間いたけれど、もう我慢できなかった。
精神の健康上、それはすべきではなかったと思っている。
有難いことに、今回の退社に際してラブコールをくれた会社がいくつか有り、決断を加速させた。
結局僕は転勤の辞令を断り、退社に至った。
―会社を辞める― その決意をした時に、ふと休暇の事が頭に浮かんだ。
「長期休暇を作ることができるな…」
そう思ったら、すぐさま頭にカヌーイストの聖地”四万十川”が頭に浮かんだ。
そして四万十川を目指すべく、周りの人に話したり資料を集めて調べたり、装備を補強したりして準備を行ってきた。
ありがたい言葉を送ってくれた方がいた。
「人は必要とされる場所に呼ばれて行くのだと思います」
僕はこの言葉にずいぶんと助けられ、勇気をもらった。
勤めていた会社の、心許せる仲間のことも頭によぎる。
ある人は僕の転勤辞令に関して怒り、ある人は自分は関係ないのに「申し訳ない」と俯いて謝ってくれた。
とにかく。
大好きな人たちがたくさん住む札幌。
行ってくる・・・
必ず帰って来なければ。
そんな思いとは裏腹に、漠然と何か大切なものを失くしてしまう予感めいたものが心の中にあった。
札幌から新千歳空港までのバスの中、そんなことを思い起こしては、ひそかに泣いてしまった事はここでしか明かさない。
バスの車窓から見える、どこかいじけたような薄暗い雪景色は、哀愁の感情を増長させる。
「俺はどうなってしまうんだろう…」
漠然とした不安に包まれたまま、バスは新千歳空港に到着した。
初めての四国、初めての長期滞在。
不安がないわけはない。
だいたいにして、うまいもの食べ歩き名所めぐり一人旅ではない。
こんな一人旅にはむしろ悲壮感があっていいではないか。
恐らくこの旅は僕にとってスロースタートだ。
確信はあった。
平岸水軍は、南国の力で必ず蘇生するはずである。
よし。
行くぞ高知へ!出発だ。
帰りの予定を決めてしまうのを嫌って、”行き”だけのチケットしか予約していない。
こんな旅の形を実現できるのも恐らく今回限りだろう。
4月に入ったと言うのに札幌では毎日雪が降っている。
春なのに心を卑屈にさせる雪とはサラバなのだ。
ひとまず神戸を目指す。
神戸はある程度土地勘もあり、景色も見慣れている。
従って神戸から先が、未知への突入になるのだ。
人生初四国。初高知。
川下ラー憧れの、カヌーの聖地、四万十川。
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4月9日月曜日。
僕は肩に食い込む20kgの荷物を背負って、早くもバテ気味に新千歳空港のスカイマークエアラインチェックインカウンターを目指していた。
ひとまず千歳から飛ぶ先は神戸。
その先はまだ僕の知らない土地、四国、高知が待っている。
平岸水軍の北海道外初出張、本来なら期待に胸が高鳴っていてすでにニヤ顔でいるはずなのだが、この旅の出発はいつもと少し違い素直に笑顔になれていない自分がいた。
3月に仕事を辞めた。
勤務わずか6年少々。
採用時、僕は”専門職採用”的な枠で入社し、自身の意思とも方向性の合った技術的な内容の業務をこなしていた。
それがこの2年間は理解できないコンバートを強いられ、本来であればもう人を指導しなければならない立場にいたものを、全く畑違いの内容で2年生3年生と同じ仕事を、更に彼らに聞きながらの屈辱的な仕事を行ってきた。
その延長線上で転勤を命じられた。
やりきれない思いをずっと抱きながら限界ギリギリの線に2年間いたけれど、もう我慢できなかった。
精神の健康上、それはすべきではなかったと思っている。
有難いことに、今回の退社に際してラブコールをくれた会社がいくつか有り、決断を加速させた。
結局僕は転勤の辞令を断り、退社に至った。
―会社を辞める― その決意をした時に、ふと休暇の事が頭に浮かんだ。
「長期休暇を作ることができるな…」
そう思ったら、すぐさま頭にカヌーイストの聖地”四万十川”が頭に浮かんだ。
そして四万十川を目指すべく、周りの人に話したり資料を集めて調べたり、装備を補強したりして準備を行ってきた。
ありがたい言葉を送ってくれた方がいた。
「人は必要とされる場所に呼ばれて行くのだと思います」
僕はこの言葉にずいぶんと助けられ、勇気をもらった。
勤めていた会社の、心許せる仲間のことも頭によぎる。
ある人は僕の転勤辞令に関して怒り、ある人は自分は関係ないのに「申し訳ない」と俯いて謝ってくれた。
とにかく。
大好きな人たちがたくさん住む札幌。
行ってくる・・・
必ず帰って来なければ。
そんな思いとは裏腹に、漠然と何か大切なものを失くしてしまう予感めいたものが心の中にあった。
札幌から新千歳空港までのバスの中、そんなことを思い起こしては、ひそかに泣いてしまった事はここでしか明かさない。
バスの車窓から見える、どこかいじけたような薄暗い雪景色は、哀愁の感情を増長させる。
「俺はどうなってしまうんだろう…」
漠然とした不安に包まれたまま、バスは新千歳空港に到着した。
初めての四国、初めての長期滞在。
不安がないわけはない。
だいたいにして、うまいもの食べ歩き名所めぐり一人旅ではない。
こんな一人旅にはむしろ悲壮感があっていいではないか。
恐らくこの旅は僕にとってスロースタートだ。
確信はあった。
平岸水軍は、南国の力で必ず蘇生するはずである。
よし。
行くぞ高知へ!出発だ。
帰りの予定を決めてしまうのを嫌って、”行き”だけのチケットしか予約していない。
こんな旅の形を実現できるのも恐らく今回限りだろう。
4月に入ったと言うのに札幌では毎日雪が降っている。
春なのに心を卑屈にさせる雪とはサラバなのだ。
ひとまず神戸を目指す。
神戸はある程度土地勘もあり、景色も見慣れている。
従って神戸から先が、未知への突入になるのだ。
人生初四国。初高知。
川下ラー憧れの、カヌーの聖地、四万十川。
続きを読む
2012年04月18日
ただいま。

10日間に及んだ高知その他もろもろの旅が終了しました。
が、僕の旅が終了したわけではありません。
もう一度、絶対に高知を訪れなければならない理由も出来たし、僕自身の旅のスタイルにも課題が散見されました。
体が動かなくなるまで続く旅。
より良い旅をしていくために、もっと自分を上げなければなりません。
今回の旅は恐らく一生に一度の大イベントでした。
全体を通してこれを満足に終えられた事に感謝。
つまりはこの旅を支えてくれたたくさんの皆さんに感謝。
どうもありがとう!
平岸水軍はまだまだヤルのだ。
こらから大仕事、高知の旅を『四国の川を旅する』シリーズ、鋭意更新していきます。
2012年04月09日
四国の川を旅する 四万十川ダイジェスト

千歳空港から神戸への出発待ち。
千歳に向かうバスの中からは、どこかいじけたような冬景色が広がっていた。
雪とはサヨナラだ。
行くぜ南国へ!
今日の楽しみはカツオのたたき!
イヤッホウ~イ!
■4月9日18:30
三ノ宮から高知、ようやく到着。
ホテルチェックイン後はすぐさま『ひろめ市場』へ。
カツオのタタキ、川海苔の天ぷらを頂きながらビール!
カツオのタタキがこんなにウマいとは、今まで知らなかった。
明日は江川崎へ。
いよいよ四万十川とご対面!
がんばるぞ~!
■4月10日
高知から四万十市江川崎へ。
チャリを借りて川のロケハンをするが、天候とコースが残念な感じ。。
今夜から明日にかけて雨。
カヌー館併設のキャンプ場で停滞する。
九州からやってきた紳士の皆様、声をかけてくれたMさんありがとう!
■4月11日 雨
朝から雨降り。
TNFのオリジナル素材レインウェアを上下着込んで動くが、どうやらこれは水を吸収するタイプ。
裏側にも水が入って来る。
TNFは単なるファッション品として割り切るべきなのか。
最終的には傘を借りて買い物に行ったり…悲しい。
夕方ようやく雨がやみ、予め送っておいたボイジャーを組み立てる。
ただし川は濁り、せっかくの清流を楽しめそうにない。
上流のダムで放流の情報もあり。
明日の状況を見て出発の判断をしよう。
■4月12日 晴れ
昨日の天気がうそみたいに晴れ上がってる!
しかしながら川は増水し、濁ったままである。
が、事情ができたので下ることにする。
増水とは言え、流れ自体はたいしたことなさそうだ。
カヌー館スタッフとも相談し、出発を決めた。
お世話になった東屋を掃除して、荷物を川原へ運ぶ。
ヒルメシをカヌー館で食べ、冷えたビールを買った。
出発。
僕の川下りの儀式、ビールを開けてボイジャーの舳先にかける。
その次は四万十川にビールを注ぐ。
最後は僕だ。
いきおい良くノドにビールを流し込んだ。
「うめーっ!」
よろしくね!四万十川。
そしてボイジャー。
アメンボになったボイジャー、遂に四万十川を流れ出した!
感激!
水は濁っているが、風景はいい。 続きを読む