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Posted by naturum at

2018年09月05日

四国の川を旅する《仁淀川 5》

SUPグループからあらん限りの注目と期待を受けた僕は、ちょっと納得のいかない気持ちでボイジャーに乗り込んだ。

 「よしゃ行ったるぜ!! ホントはイヤだけど…」

いよいよ放水口の瀬、早い流れに支配されつつ左岸コースにエントリーした。
岩がらみのスラロームに隠れ岩のでかいウェーブ、精一杯のパドリングでこなしていく。
こういう時は流れに任せてはいけない。
バウが何度も水面下に突っ込む。
スカウティングで確認できた範囲がそろそろ終わろうとした時であった。

 「アッ!!( ̄Д ̄;)」

見えない。
落ち込みである。
視線が低く、流れの中で不自由なカヤックである。
落ち込みの先は見えず、見えないからと言って止まることもできない。

 「事前にわかってたら見栄は捨てて回避してただろうな…」

笑う。

笑うしかないではないか。

 「ウハハハハ!さあ行くぞ!!」

僕が入った落ち込みは激しい勢いの流れの中で1メーターはゆうに超える段差があり、更に良くないことに左側に大岩が偉そうに鎮座している。
その大岩のたもとからもパンチ力十分の水流が向かってきている。
格闘技なら2人を相手に、カカト落としと左ストレートを同時に食らう状態だ。

 「がんばれボイジャー!!」

膝の横をピタリと艇体側面に付け、足を思い切り踏ん張る。
ボイジャーと一心同体になって突っ込む…

よく覚えていない。
大量の水をかぶりながらありったけの力でパドルをかき回していたはずだ。
気付けば目の前には自然なダウンストリームVが待ち受けている。

切り抜けたのだ。

白波が立つがクセのないダウンストリームVの中を漕ぎ抜け、ものすごくホッとしつつようやく我に帰った。

 「あ、SUPさん達は…」

全員こちらを見て、拍手&ガッツポーズしてくれていた。

 「あ、ありがとう!!( ;∀;)」

でも、君らさえいなければこんな危険なトコロ突っ込んでないよ?

指導者欠格と思われる人が、自分の頭を指差してアピールしている。
僕に”ヘルメットしなきゃダメだ”と忠告しているのだ。

 「お、お前が行け言うたんやないかー!!」

そんな忠告を、全く返答になっていないガッツポーズ&笑顔で流し、アホンダラとつぶやいた。

わかってますよ、激しいコース行く時のためにヘルメットは持ってます。
でもファルトだから、そういうコースには行かないのよ、ふだん。
なのでこの旅にはヘルメットは持ってきていないのよ。
のんびりビールを飲みながら下ることを目的としてやってんのよ。

しかし他人に背中を押されたとはいえ、ノーヘルで危険箇所にアタックすると決めたのは自分だ。
ダメならケガするか、命を落とすか。
そういうつもりでやっている。
そうなったらそうなったで、自分の技術がそれまでだった、それだけの話だ。
結果は、自分の好きでやっていることの延長上にある事なのだから、いつでも受け入れよう。

というところまで考えている。

これを危ないからとルールを作って着るものまで制限している人達がいる。
僕はそんなものにとらわれたくないので、そういう人達とは行動を共にしない。
自分が楽しいと思うことを、思うスタイルでやる。
もし技術が足りなかった時のために、保険にだけは入った上で自由を楽しんでいるのだ。

楽しみ方が、根本的に違うんだよ。

仁淀川はすっかりおだやかな表情を見せ始めていた。

01
  


Posted by 餅 at 23:46Comments(2)1605仁淀川

2017年03月21日

四国の川を旅する《仁淀川 4》

中仁淀橋を過ぎ、しばらくはおだやかな流れにのりながら、トロ場を進む。
ウーム、快適ではあるが、奇跡の清流と呼ばれる割には水に透明度が無い。
ナゼだ…前回の四万十も、出発時は停滞しなければならないほどの大雨に見舞われ、透明な川は体感出来なかった。

 「まぁしゃあないか。高知で川下り出来てる事自体がありがたいんだからなー。」 (´ ▽`)



そんな事を思いつつ横畠橋にさしかかる。
前方に先行するグループが見えた。

 「え!?SUP(スタンドアップパドル)!?」 (゚◇゚;)
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Posted by 餅 at 11:50Comments(4)1605仁淀川

2016年07月02日

四国の川を旅する《仁淀川 3》

翌朝、朝食用に買っておいたサバの姿寿司を食べ、ホテルを出た。
帯屋町アーケード、駅前の国道を歩き高知駅へと向かう。
昨夜見た高知橋は、爽やかな空気に包まれ、朝の景色に変わっていた。



高知駅には偉大な3人の先生がお立ちである。
僕だって平岸では巨人とあがめられる人物だ。
対等に並んで写真を撮る。
観光ちっくで良いではないか。



土讃線の鈍行に乗りこみ佐川を目指す。
わざとゆっくり移動するのだ。
途中駅のローカルなムード漂う小さな駅舎とそのホームは否が応でも旅情感があふれてくる。
1時間ほどで到着した佐川駅から、川旅の出発地点となる宮ノ前公園のある越知町まではバス移動だ。
普段は地元のお年寄りしか利用していないような雰囲気。
いや、過疎の町には若者がいないのだ。
こんなにおだやかで素敵な町なのに…
代わりに僕がそこに住み…いや、そうはならないよな。
僕の人生にとって必要な『ススキノ』という存在が、札幌にはあるのである。

宮ノ前公園に到着した。
ボイジャーがお昼にここまで配達される予定だ。
その前に越知町の中心部まで出て、ビールと昼メシを買うつもりでいた。
地図上で、公園と中心部が近いことを確認していたのだ。
しかしここでショックなことが判明する。
地図上で結ばれていたはずの、県道と公園を通る道が、繋がっていない…
県道は、公園の道のはるか上。
橋になっていたのだ。

参った。



手元には、昨晩物珍しさで買った"ぼうしパン"がひとつあるだけだ。
仕方が無い、ぼうしパンを本日のランチとする。
考えてみれば昨夜はカツオのタタキ、清水サバの刺身、あおさのりの天ぷら、高知名物屋台餃子、鯨にドロメに四万十鶏の唐揚げが並んでいた。
この昼は、ぼうしパン…
むなしさ全開でぼうしパンにかぶりついたのであった。



その夜、黒瀬キャンプ場で合流してくれる岡山のいとこ家族のTちゃんにメール。
ごめんなさい、ビールを多めに買ってきてくださいm(_ _)m

ほどなくゆうパックで送られてきたボイジャーとキャンプ道具が公園に配達された。
ビールが手元に無いと思うと余計に飲みたくなる。
この日の目的地、黒瀬キャンプ場まで猛スピードで漕がなければなるまい。
四国の日差しに照らされ汗だくになりながら急ぎ艇を組み立て、荷物を防水パッキングした。



宮ノ前公園の川岸は親水化され、水路を進み、本流に合流してゆく格好だ。
キャンプ道具と、40代中年オヤジを乗せたボイジャーがようやく水路に乗る!
札幌からやってきた我がボイジャーが、高知の仁淀川に浮かぶ感動の瞬間である。
乗り込む僕も、2016年は初めての川下り、初操船となる。
腕は落ちてないか?
合流点でバウを少し上流側に向け、仁淀川の本流にエントリーした。
艇をきっちりとコントロール出来ている。
流れに対するフネの針路は、自分が頭に描いていた場所をしっかりとトレースしている。
パドルを握る手が力み、喜びに震えた。

少し進んだところでいきなり落ち込みが登場。
危険度は決して高くないが、どんと落ちた後、真ん前にドデンと岩が立ちはだかり、水流のスピードとコースどりに正確なパドルコントロールが要求される。
これを切り抜け、ひときわ大きくニヤリとする。

「仁淀川、よろしく!!」
奇妙な形をした横倉山も、どうやら僕を見送ってくれたようである。



平岸水軍2度目の高知出張、ビールが無くて出発の儀式は出来なかったが、今ここに仁淀川の旅がスタートしたのだ!!
  


Posted by 餅 at 12:34Comments(2)1605仁淀川

2016年06月09日

四国の川を旅する《仁淀川 2》

初日はグルメツアーである。

新千歳空港から飛び立ち神戸に降りる。
神戸に着いたらお昼近くだ。
神戸と言えば洋食!ではないか。
この旅の最初のランチは、出かける前からビフカツ定食に決まっていた。
しかし、僕は悩んでいた。
ビフカツ以外にも、ローストビーフ丼や、オムハヤシなど、一度しかない神戸ランチのメニュー、僕は一体どれにすればいいと言うのだ。
3日ほど悩んだ結果のビフカツである。

三宮の街を早歩きで急ぎ横切る。
お目当ての店に入りビールとビフカツセットをオーダー。

勝手に旅の幕開けの祝杯をあげていると、ビフカツがやってきた。
牛肉特有のくさみが無い
薄めの衣、だが、確実に層を感じるサクサク感。
野菜も特筆すべきうまさださ。シャッキリしながら水分たっぷりうるおっている。



時間を非常に有効に使い、待ち時間もほとんどない状況で高知行きの高速バスへ乗り込んだ。
バスが走り出す。
阪神高速に乗ったことを合図に、コンビニでゲットした神戸づくりのプルタブをプシュッとやる。



バスは明石海峡大橋を通り淡路島へと入り、潮流による荒波の鳴門海峡を越え四国へ突入する。
バスの休憩地、吉野川SAは2年前にキャンプした美濃田の淵が見えて懐かしい思いがした。

定刻よりやや早く、バスは高知に到着!
高知の地名の青看板にいちいち心が揺れる。



高知にはうまいもんがごっそりとある。
有名なカツオのタタキや川海苔の天ぷらなどはもちろんのことであるが、名前も知らない美味珍味が存在するという。
今回、Facebookの高知グループで、ウツボタタキ、ドロメ、のれそれ、清水サバ、鰻、鯨、屋台餃子などの情報を集めていた。
旅の行程は長くはない。
一気に勝負をかけるには地元の名店がこぞって出店している『ひろめ市場』がベストだ。
ホテルにチェックイン後、タッチアンドゴーで早めの夕食に出かけた。

カツオのタタキは塩で。
清水サバの刺身、あおさのりの天ぷらで高知到着記念の祝宴をひとりで開催した。





違う。
いつも食べているカツオのタタキとは全然違う食い物だ。
うま過ぎて、死にそうである。
高知名物屋台餃子、鯨肉刺身、ドロメを追加し、相席をお願いした地元のお嬢さん達にいろいろと情報を聞いた。
ほどよく酔っ払い、四年前にも訪れたバーを探して入店、うれしいことにマスターはかつて僕が来たことを覚えていてくれた!



ありがとうございます!(^_^)
さらに数杯の酒を体におさめ、高知市内で1番好きな風景を見に行く。
高知橋。
四年前に来た時、落涙してしまった場所だ。



景色が胸にすーっと入って来る。
染みる。落ち着く。
夜の高知の空気を存分に味わい、しばらくまったりとしてホテルへと戻った。
  


Posted by 餅 at 21:51Comments(2)1605仁淀川

2016年06月04日

四国の川を旅する《仁淀川 1》

 二度目の高知旅へ

4年前。
僕はあるネガティブな思いを抱きながら高知へと旅立った。
だが高知は、そのロケーションパワーと食い物の旨さでそれを一瞬にして笑い飛ばした。
それ以来、高知が地上で最も好きな土地になったのだ。
カツオのタタキを食い感激し、街の景色を眺めて泣き、憧れであった四万十川の流れに乗って泣き、そして旅人同士の語らいで笑う。
もう一度、高知を旅したいと思っていた。



前回の旅の途中、高知から四万十へ向かう電車の中から、驚くほど透明度の高い川が見えた。
その川の名は『仁淀川』という。
JR土讃線がかの川を渡るときは、すでに河口まで15キロ程度である。
もう、下流域といえる範囲なのだ。
しかし、水の清洌さは下流と言えどかなりのもので、電車の中からでも川底がハッキリと見て取れるほどなのであった。
電車が川を通り過ぎるその車内で僕は、子供のように窓にへばりついていたのを覚えている。
人の暮らしの中を流れつつ、こんなに美しさを保っている川。
流域の人たちも大切に大切に、この川を愛しているに違いない。

今回の高知のメインを、仁淀川に定めるのに迷いはひとつも無かった。
仁淀川が太平洋に注ぐ河口で、初夏のキラキラした景色の中、恍惚の表情でキラキラとニヤける自分が目に浮かぶ。
こんな川を見せられて平岸水軍として黙ってられるか。
ゴールは河口。
つまり目標は河口なのだ。
必ず訪れると心に誓った川を今回目指す。
時期も厳選した。
上りガツオの旬、梅雨入りの前、鮎釣りの解禁前、最高気温25~30度。
こう聞いて、いてもたってもいられなくならないカヌーイストは不感症かホントは引きこもりタイプだ。
それにしてもなんというグッドタイミング。
5月末しかあるまい。

僕の愛艇ボイジャーと一部のキャンプ道具はすでにゆうパック(一般の安価な宅配便は160サイズが最大だが、ゆうパックは170サイズまで設定がある!)で川下りの出発地点である越知町は宮ノ前公園キャンプ場に送付済みだ。
川下り初日に、日本郵政の人がせっせと重い荷物を持ってきてくれるのだ。

あぁ。
学習能力の高い平岸水軍。
いつか歴舟川で会った、東京の親子連れの作戦を学びとっているのである。

アウトドア旅ではすでに僕の定番となったノースフェイスのダッフルにハーネスを付けてザックのように背負い、送ると割高感がハンパないパドルは手に持って自宅を出発した。
  


Posted by 餅 at 10:35Comments(2)1605仁淀川
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