2010年08月07日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 後4/E》
漕
M野氏を先頭に、僕はその後を、我々2艇は後志利別川を流れる。
ゆっくりと川を下っていくと、だんだん瀬の出現率が低くなる。
川の傾斜自体が小さくなっていっているのだ。
そんな川の漕行はヒマそのものである。
『清流日本一』と謳われている川であるが、国交省の調査によるそれは、非常に信頼性が低い。
おまけにいたるところで護岸、テトラが張り巡らされ、のほほんとした気分も徐々にダウンしてくるのである。
水はとっくに、透明感を失っている。
ヒマだ。
遊ばなければ。
で、寝てみた。

トロトロゾーンでは向かい風が吹くと少々つらい。
しかしこの寝転がりスタイルは風の影響を受けづらく、空気抵抗は最小限に抑えられるのだ。
これを名づけて『ジウジアーロ漕法』と呼ぶことにする。
続きを読む
M野氏を先頭に、僕はその後を、我々2艇は後志利別川を流れる。
ゆっくりと川を下っていくと、だんだん瀬の出現率が低くなる。
川の傾斜自体が小さくなっていっているのだ。
そんな川の漕行はヒマそのものである。
『清流日本一』と謳われている川であるが、国交省の調査によるそれは、非常に信頼性が低い。
おまけにいたるところで護岸、テトラが張り巡らされ、のほほんとした気分も徐々にダウンしてくるのである。
水はとっくに、透明感を失っている。
ヒマだ。
遊ばなければ。
で、寝てみた。

トロトロゾーンでは向かい風が吹くと少々つらい。
しかしこの寝転がりスタイルは風の影響を受けづらく、空気抵抗は最小限に抑えられるのだ。
これを名づけて『ジウジアーロ漕法』と呼ぶことにする。
続きを読む
2010年08月03日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 後3》
女子の効果
正直、お手上げなのである。
次回の参加予定女子の話(妄想)を延々と何時間も語り続け、『この時はこれで、絶対惚れるよなー!!!』『いやいや、俺はこうしますよ!!』『ちょぉっと待て、お前それはズルいぞ』『いいじゃないですか、そっちは○○ちゃんで…』なんて会話が続きに続いたのである。
(”これ”とか”それ”は、具体的に書けないのである)
眠れるワケがない。
興奮はソロテントに潜り込んでからも続いていた。
後志利別川は、なんとなく瀬音を立てて流れ続けた。
何一つ、気にならなかった。
こんな夜は、初めてである。
翌朝は目覚めとともに女子の会話が続いた。
ひどいというか、バカ丸出しである。
誰にもそんな会話は聞かせられないし、書くことも不可能だ。
これが男の世界の本質なのだ。
従って、こんなのどかな場所で自然を満喫していても

こんな誰も来ないようなところに、こんなカンバンが立ててあっても
続きを読む
正直、お手上げなのである。
次回の参加予定女子の話(妄想)を延々と何時間も語り続け、『この時はこれで、絶対惚れるよなー!!!』『いやいや、俺はこうしますよ!!』『ちょぉっと待て、お前それはズルいぞ』『いいじゃないですか、そっちは○○ちゃんで…』なんて会話が続きに続いたのである。
(”これ”とか”それ”は、具体的に書けないのである)
眠れるワケがない。
興奮はソロテントに潜り込んでからも続いていた。
後志利別川は、なんとなく瀬音を立てて流れ続けた。
何一つ、気にならなかった。
こんな夜は、初めてである。
翌朝は目覚めとともに女子の会話が続いた。
ひどいというか、バカ丸出しである。
誰にもそんな会話は聞かせられないし、書くことも不可能だ。
これが男の世界の本質なのだ。
従って、こんなのどかな場所で自然を満喫していても

こんな誰も来ないようなところに、こんなカンバンが立ててあっても

2010年07月31日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 後2》
下りに突入
前出の頭首工から下を歩き、我々は住吉橋上流すぐのA地点へとやってきた。
ここからいよいよ、本格的な川の流れに突入だ。
まずは青いシットオンと赤いファルトで記念撮影。

A地点から住吉橋をくぐった直下には1級+の短い瀬が待ち受ける。

M野氏とともに、橋に上がってスカウディング。
本流を読んで、コースをイメージして、頭に叩き込むことを教える。
僕はここを何度も下って知っているが、知らないと脇の岩にひっかかり、横転沈である。
しかし、細かく説明するのもめんどくさいので、
「おれのルートに、ついて来てください!」
で最終的には終わらせてしまった。
川下り初体験の人に、瀬に突っ込む時のアドバイスとしては最良の一言である。 続きを読む
前出の頭首工から下を歩き、我々は住吉橋上流すぐのA地点へとやってきた。
ここからいよいよ、本格的な川の流れに突入だ。
まずは青いシットオンと赤いファルトで記念撮影。


A地点から住吉橋をくぐった直下には1級+の短い瀬が待ち受ける。

M野氏とともに、橋に上がってスカウディング。
本流を読んで、コースをイメージして、頭に叩き込むことを教える。
僕はここを何度も下って知っているが、知らないと脇の岩にひっかかり、横転沈である。
しかし、細かく説明するのもめんどくさいので、
「おれのルートに、ついて来てください!」
で最終的には終わらせてしまった。
川下り初体験の人に、瀬に突っ込む時のアドバイスとしては最良の一言である。 続きを読む
2010年07月23日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 後1》
再び後志利別川へ
2週間前に陰気な川ソロキャンをやり、水のお陰で見事に復活した僕であった。
陽気にやろーぜぃ。
楽しいことは多い方がイイに決まってる。
今年2度目の後志利別川は、会社の先輩M野氏とのタンデム行だが、今までのタンデム行とは違う事がある。
2艇なのだ!やった!
これこれ。
これをやりたかったんだ。
2人艇でのタンデムは何度も経験したけど、面白くなくはなくむしろまぁ面白いんだけど、一人1艇で行く川旅に憧れ続けていたわけだ。
それには手っ取り早くカヌークラブとかに属すのがいいんだろうが…
僕もカヌーを始めた最初の頃はそういうクラブに入ろうと思ってはいたのだけれど。
続きを読む
2週間前に陰気な川ソロキャンをやり、水のお陰で見事に復活した僕であった。
陽気にやろーぜぃ。
楽しいことは多い方がイイに決まってる。
今年2度目の後志利別川は、会社の先輩M野氏とのタンデム行だが、今までのタンデム行とは違う事がある。
2艇なのだ!やった!
これこれ。
これをやりたかったんだ。
2人艇でのタンデムは何度も経験したけど、面白くなくはなくむしろまぁ面白いんだけど、一人1艇で行く川旅に憧れ続けていたわけだ。
それには手っ取り早くカヌークラブとかに属すのがいいんだろうが…
僕もカヌーを始めた最初の頃はそういうクラブに入ろうと思ってはいたのだけれど。
続きを読む
2010年07月14日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 前3》
地蔵効果
夜中の2時頃、目が覚めたが特にコレといって霊現象みたいのも起きてない。
瀬音がやさしく響く。
そのまままた寝てしまった。
きっと地蔵様が僕をお守りしてくれたのであろう。
と、一応考えておこう。
すっかり僕の食事の新定番となった『どんべえ(そば)+さんま蒲焼缶詰』。
これは間違いなくうまい。
そう言えば今日は、妻子とその友達グループが滝野でキャンプをする日である。
川を上がったら合流する約束。
我ながらタフである。
川で遊んで180km戻って、再びキャンプなんである。
がんばらねば。
サッサと川下りを終えて、サッサと風呂に入って、サッサと滝野を目指さねばなるまい。
キャンプ道具をまとめてクルマに放り込む。
残るはボイジャー。
当然ながら川下りをしなくては。
しかしこの時、長距離を行く気持ちはサラサラなく、地蔵のあるA地点から出発してB地点までの超短距離川下りである。

続きを読む
夜中の2時頃、目が覚めたが特にコレといって霊現象みたいのも起きてない。
瀬音がやさしく響く。
そのまままた寝てしまった。
きっと地蔵様が僕をお守りしてくれたのであろう。
と、一応考えておこう。
すっかり僕の食事の新定番となった『どんべえ(そば)+さんま蒲焼缶詰』。
これは間違いなくうまい。
そう言えば今日は、妻子とその友達グループが滝野でキャンプをする日である。
川を上がったら合流する約束。
我ながらタフである。
川で遊んで180km戻って、再びキャンプなんである。
がんばらねば。
サッサと川下りを終えて、サッサと風呂に入って、サッサと滝野を目指さねばなるまい。
キャンプ道具をまとめてクルマに放り込む。
残るはボイジャー。
当然ながら川下りをしなくては。
しかしこの時、長距離を行く気持ちはサラサラなく、地蔵のあるA地点から出発してB地点までの超短距離川下りである。

続きを読む
2010年07月05日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 前2》
強引的場所移動
間もなく日陰になると思われるB地点から、地蔵がそばにあるものの日差しが最後まで続きそうなA地点へ移動する。
小物はクルマに積んで移動できたが、テントをどうしようかと迷った末、組みあがったまま持ち上げてそのままかついで歩き移動。
時間はもうすでに2時を回っている。
もしこれから出発地点に定めた『新花石橋』まで行き、そこから下ってA地点まで行こうとすると…
チャリ移動30分、組立て40分、川下りが多分順調にいって2時間半ぐらいかと。
思いっきり日暮れ時になってしまう。
ダメだ、こりゃダメだ。
そのままフネとパドルを新花石橋に放りっぱなしというのも問題があるので、撤収のため移動する。
なんて無駄な時間なんだ。
食材、荷物、場所、フネ、全て落着いたのは結局4時頃。
ようやく自由時間なのである。
しかしながら諸業務による拘束時間は、全て自分が生んだ結果である。
さみし。

遊ぶ時間を極力多くとりたかった。
遊ぶといえば、僕の宝物のひとつ、サックス。
それを取り出して、一枚岩の上でヘタクソに吹こうではないか。
続きを読む
間もなく日陰になると思われるB地点から、地蔵がそばにあるものの日差しが最後まで続きそうなA地点へ移動する。
小物はクルマに積んで移動できたが、テントをどうしようかと迷った末、組みあがったまま持ち上げてそのままかついで歩き移動。
時間はもうすでに2時を回っている。
もしこれから出発地点に定めた『新花石橋』まで行き、そこから下ってA地点まで行こうとすると…
チャリ移動30分、組立て40分、川下りが多分順調にいって2時間半ぐらいかと。
思いっきり日暮れ時になってしまう。
ダメだ、こりゃダメだ。
そのままフネとパドルを新花石橋に放りっぱなしというのも問題があるので、撤収のため移動する。
なんて無駄な時間なんだ。
食材、荷物、場所、フネ、全て落着いたのは結局4時頃。
ようやく自由時間なのである。
しかしながら諸業務による拘束時間は、全て自分が生んだ結果である。
さみし。

遊ぶ時間を極力多くとりたかった。
遊ぶといえば、僕の宝物のひとつ、サックス。
それを取り出して、一枚岩の上でヘタクソに吹こうではないか。
続きを読む
2010年07月02日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 前1》
病体
僕は著しく病んでいた。
この4月から技術職から営業職へ何の前触れなしにコンバートされ、変わった営業職で全く先が見えずに掴まされた物件に振り回された。
契約ができないまま納期だけがどんどん近付く。
毎日が恐さでいっぱいで、日に日にその恐さも膨れ上がり、夢にまでその事がリンクされ、まさに寝ても覚めても精神的に休まることがない期間が続いた。
せっかくカネを払って習いにいっている音楽教室も、スポーツジムもまったく行く気がしない。
しかし、6月11日が迫る。
続きを読む
僕は著しく病んでいた。
この4月から技術職から営業職へ何の前触れなしにコンバートされ、変わった営業職で全く先が見えずに掴まされた物件に振り回された。
契約ができないまま納期だけがどんどん近付く。
毎日が恐さでいっぱいで、日に日にその恐さも膨れ上がり、夢にまでその事がリンクされ、まさに寝ても覚めても精神的に休まることがない期間が続いた。
せっかくカネを払って習いにいっている音楽教室も、スポーツジムもまったく行く気がしない。
しかし、6月11日が迫る。
続きを読む
2010年06月30日
北海道の川を旅する 《後志利別川10 序》
2010年6月。
僕は2度の川旅へ出かけた。
一度目はソロ。
二度目はただの会社の先輩とは呼べなくなっている仲のM野さんと一緒だ。
行き先は道南は今金町を流れる後志利別川だ。
僕の日記でも何度も出て来ている、とてもおだやかな川である。
札幌から180km。
シーズンインした北海道。
まだまだ今年はたっぷりあるのだ。
行こう、海へ、川へ。
一度目は会社で精神を痛めつけられていた時の旅、二度目は痛みも消え、ばか笑いしながらのタンデム行。
近々執筆開始。
僕は2度の川旅へ出かけた。
一度目はソロ。
二度目はただの会社の先輩とは呼べなくなっている仲のM野さんと一緒だ。
行き先は道南は今金町を流れる後志利別川だ。
僕の日記でも何度も出て来ている、とてもおだやかな川である。
札幌から180km。
シーズンインした北海道。
まだまだ今年はたっぷりあるのだ。
行こう、海へ、川へ。
一度目は会社で精神を痛めつけられていた時の旅、二度目は痛みも消え、ばか笑いしながらのタンデム行。
近々執筆開始。
