2009年10月14日
北海道の川を旅する《歴舟川 6》
大樹橋
予定していた補給ポイントである大樹橋に到着。
艇を左岸に着けた後、一本の水路をジャブジャブと渡って本当の岸に着く。
大樹橋左岸は公園化されており、地域住民の憩いの場になっている。
川から突然現れた、こきたない身なりの僕に、たむろしていた女子高生たちがギョっとして振り返る。
僕の体からはしとしとと水滴が落ち、日本手ぬぐいを巻いていた頭はミスター・オクレさながらのぺっとりした髪型である。
予定していた補給ポイントである大樹橋に到着。
艇を左岸に着けた後、一本の水路をジャブジャブと渡って本当の岸に着く。
大樹橋左岸は公園化されており、地域住民の憩いの場になっている。
川から突然現れた、こきたない身なりの僕に、たむろしていた女子高生たちがギョっとして振り返る。
僕の体からはしとしとと水滴が落ち、日本手ぬぐいを巻いていた頭はミスター・オクレさながらのぺっとりした髪型である。
関係ねぇ。
僕は動かなければ今夜の宿にたどりつけないし、動くためには食糧が必要だ。
大樹橋を渡ってスーパーに入る。
突然、寿司が食いたくなった。
昼飯は寿司にしよう。
ビールとおつまみ、食料を買い込んだ。
帰り道、大樹橋。
橋の上から下流をスカウティングする。
「真ん中の流れに乗ってその後は左岸側を行けばかなり歩きそうだ。橋をくぐってすぐ右を歩けば大したことなさそうだな…」
と決めて、岸に戻った。
ボイジャーに荷物を詰めなおし、リスタート。
大樹橋をくぐると、橋の上のギャラリーから声がかかった。
ほどなくライニングダウン開始。
「うわっ、これはキツい」
一番マシなライニングダウンコースに見えた真ん中→右寄りの水路は、想像以上に行きにくい。
岩盤が水流で削られ、川底はいやらしい溝だらけだ。
溝部分は激しく水が流れている。
ロープにつながれたフネは、先を急ごうとする。
だが僕は歩きにくい岩盤をヨロヨロ、ヨタヨタとしか歩けない。
「やばい…」
相当な深さまで体を入れないとならないコースになってしまった。
意を決して水流の中に腰まで身を投じる。
ドボン!!
危険。かなり危険。
岩にはさまったらアウトだ。水流に押されて死ぬ。
こんな場所がまだまだ続きそうである。
そこで考え出したスタイル、”カヌー犬・オレ”。
フネの上に四つんばいになって水流に乗り、浅いところはフネにまたがるようにして両足でヨチヨチ歩きをする。
なんて情けないカッコ。
よりによってギャラリーがいるこの場所で…(泣)
結局、ふるさと大橋の近くまでこのスタイルでなんとか乗り切った。
非常に疲れた。
「もぉぉ…!」
初めて歴舟をうらむ。
ふるさと大橋を越えてザラ瀬を越えたらすぐに広い川原があり、サッサとそこに上陸した。
はらへった。
キャンプイン
ようやく着いたその川原は、ワンダフルであった。
無尽蔵に流木が転がる。
焚火三昧の夜が迎えられそうだ。
いつもは貴重に思って拾う小枝には見向きもしないで済む。
いったんスッポンポンになり、サラサラの服に着替えた。
ようやく荷物をまとめ、ひと心地である。

昼飯を食おうと思ったら、もう4時をまわっていた。
これから食ってると、それは晩飯になっちゃうな…と思い、予定変更して準備を全て終わらせることにした。
サラサラの服がコテコテに汚れるほど流木を集めてきた。
季節は秋。北海道の秋。
火は夜、絶対条件で必要だ。
暮れかかる岸辺で、ようやくメシの準備。
さっき買った寿司を。
「あぁっ!!!」
寿司のパックには、しょう油が入っていなかった。
仕方なく素の味で寿司を食う。
カップヌードルのスープで生寿司を流し込んだ。
さみし。。
まぁいいか。
焚火を熾し、夜を迎える。
相当寒い。

でも火はでかい。
風もけっこうあり、あおられて火はますます大きくなる。
寒いけどビールしか酒がないし、僕は基本ビールしかおいしいと思って飲めない。
ウィスキーのお湯割りを、うまいと思って飲める体になりたいな。
焚火の炎に照らされながら、友達に電話をする。
前回会ってからそんなに時間は経たないのに、とても懐かしい声に聞こえる。
ありがてぇ。
仕事、うまくいくといいな。
空は時折り星がチラチラと見えるが、曇天である。
ハーモニカを取り出して、文部省唱歌の演奏オンパレードだ。
近くで瀬の音がする。
ときどき、遠くを走るクルマのノイズ。
超然とした雰囲気に目を細める。
帯広空港に降りるのだろう、旅客機が僕を中心に旋回して去っていった。
寒い。
少し早いけどテントに入ろう。
あ。
そういえば、歴舟ってクマが出るんだとな…
余計なことを思い出さなければ良かった。
僕は動かなければ今夜の宿にたどりつけないし、動くためには食糧が必要だ。
大樹橋を渡ってスーパーに入る。
突然、寿司が食いたくなった。
昼飯は寿司にしよう。
ビールとおつまみ、食料を買い込んだ。
帰り道、大樹橋。
橋の上から下流をスカウティングする。
「真ん中の流れに乗ってその後は左岸側を行けばかなり歩きそうだ。橋をくぐってすぐ右を歩けば大したことなさそうだな…」
と決めて、岸に戻った。
ボイジャーに荷物を詰めなおし、リスタート。
大樹橋をくぐると、橋の上のギャラリーから声がかかった。
ほどなくライニングダウン開始。
「うわっ、これはキツい」
一番マシなライニングダウンコースに見えた真ん中→右寄りの水路は、想像以上に行きにくい。
岩盤が水流で削られ、川底はいやらしい溝だらけだ。
溝部分は激しく水が流れている。
ロープにつながれたフネは、先を急ごうとする。
だが僕は歩きにくい岩盤をヨロヨロ、ヨタヨタとしか歩けない。
「やばい…」
相当な深さまで体を入れないとならないコースになってしまった。
意を決して水流の中に腰まで身を投じる。
ドボン!!
危険。かなり危険。
岩にはさまったらアウトだ。水流に押されて死ぬ。
こんな場所がまだまだ続きそうである。
そこで考え出したスタイル、”カヌー犬・オレ”。
フネの上に四つんばいになって水流に乗り、浅いところはフネにまたがるようにして両足でヨチヨチ歩きをする。
なんて情けないカッコ。
よりによってギャラリーがいるこの場所で…(泣)
結局、ふるさと大橋の近くまでこのスタイルでなんとか乗り切った。
非常に疲れた。
「もぉぉ…!」
初めて歴舟をうらむ。
ふるさと大橋を越えてザラ瀬を越えたらすぐに広い川原があり、サッサとそこに上陸した。
はらへった。
キャンプイン
ようやく着いたその川原は、ワンダフルであった。
無尽蔵に流木が転がる。
焚火三昧の夜が迎えられそうだ。
いつもは貴重に思って拾う小枝には見向きもしないで済む。
いったんスッポンポンになり、サラサラの服に着替えた。
ようやく荷物をまとめ、ひと心地である。
昼飯を食おうと思ったら、もう4時をまわっていた。
これから食ってると、それは晩飯になっちゃうな…と思い、予定変更して準備を全て終わらせることにした。
サラサラの服がコテコテに汚れるほど流木を集めてきた。
季節は秋。北海道の秋。
火は夜、絶対条件で必要だ。
暮れかかる岸辺で、ようやくメシの準備。
さっき買った寿司を。
「あぁっ!!!」
寿司のパックには、しょう油が入っていなかった。
仕方なく素の味で寿司を食う。
カップヌードルのスープで生寿司を流し込んだ。
さみし。。
まぁいいか。
焚火を熾し、夜を迎える。
相当寒い。
でも火はでかい。
風もけっこうあり、あおられて火はますます大きくなる。
寒いけどビールしか酒がないし、僕は基本ビールしかおいしいと思って飲めない。
ウィスキーのお湯割りを、うまいと思って飲める体になりたいな。
焚火の炎に照らされながら、友達に電話をする。
前回会ってからそんなに時間は経たないのに、とても懐かしい声に聞こえる。
ありがてぇ。
仕事、うまくいくといいな。
空は時折り星がチラチラと見えるが、曇天である。
ハーモニカを取り出して、文部省唱歌の演奏オンパレードだ。
近くで瀬の音がする。
ときどき、遠くを走るクルマのノイズ。
超然とした雰囲気に目を細める。
帯広空港に降りるのだろう、旅客機が僕を中心に旋回して去っていった。
寒い。
少し早いけどテントに入ろう。
あ。
そういえば、歴舟ってクマが出るんだとな…
余計なことを思い出さなければ良かった。
北海道の川を旅する《歴舟川 9/E》
北海道の川を旅する《歴舟川 8》
北海道の川を旅する《歴舟川 7》
北海道の川を旅する《歴舟川 5》
北海道の川を旅する《歴舟川 4》
北海道の川を旅する《歴舟川 3》
北海道の川を旅する《歴舟川 8》
北海道の川を旅する《歴舟川 7》
北海道の川を旅する《歴舟川 5》
北海道の川を旅する《歴舟川 4》
北海道の川を旅する《歴舟川 3》
Posted by 餅 at 22:38│Comments(2)
│0909歴舟川
この記事へのコメント
オハヨウゴザイマス
四つん這いでの"カヌー犬・オレ"スタイル!
想像したら吹き出してしまいましたよ ^^
私のグモなら、
さしずめ雑誌プレイボーイの"プレイガール"スタイルですね。
仰向けで、両手両足を船のヘリに引っ掛けて、
腰を浮かして浅瀬を乗り切ります(笑)
公園にいたという女子高生に見られたら、
不審者→通報→逮捕 あり得る展開に人ごとじゃないし ^^;
川旅でのこんな夜には、
SIONの歌も、心に滲み入りそうですね。
また覗きに来ます(笑)
四つん這いでの"カヌー犬・オレ"スタイル!
想像したら吹き出してしまいましたよ ^^
私のグモなら、
さしずめ雑誌プレイボーイの"プレイガール"スタイルですね。
仰向けで、両手両足を船のヘリに引っ掛けて、
腰を浮かして浅瀬を乗り切ります(笑)
公園にいたという女子高生に見られたら、
不審者→通報→逮捕 あり得る展開に人ごとじゃないし ^^;
川旅でのこんな夜には、
SIONの歌も、心に滲み入りそうですね。
また覗きに来ます(笑)
Posted by ちん婆
at 2009年10月20日 05:07

いやぁ、僕って本当にイマイチです。
"カヌー犬・オレ"じゃなくて、"カヌー犬・ボク"の方が面白かったのに…
あぁ。。。とこんな事でテンションダウンするボク。
ちん婆さんのスタイル…エクソシストじゃないですか!!!
エグモシスト!?
バウから逆さまに覗いたちん婆さんの顔が連想されます。
危険です!!!
あぁ、スターンでしょうね。笑
"カヌー犬・オレ"じゃなくて、"カヌー犬・ボク"の方が面白かったのに…
あぁ。。。とこんな事でテンションダウンするボク。
ちん婆さんのスタイル…エクソシストじゃないですか!!!
エグモシスト!?
バウから逆さまに覗いたちん婆さんの顔が連想されます。
危険です!!!
あぁ、スターンでしょうね。笑
Posted by 餅
at 2009年10月22日 23:06
