2009年05月14日
北海道の川を旅…したのか?《後志利別川~尻別川 5》
トラブル
川下り決行を熱弁主張し、倶知安市街富士見橋たもとの公園で僕を下ろしたKKは、そのままクルマに乗ってゴール地点に向かって行った。
雨は一応やんだけど、雨上がりの風はひんやり冷たい。
もう30代後半なのに、しかもこんな時にTシャツ短パン姿の自分を強く恥じた。
タンデム用に組み上げた我がボイジャー号を川まで降ろしてみる。
「アッ、いか~ん!底の穴補修してねぇ!」
このままでは沈没とは言わないまでも、バスタブに半身浴ぐらいした姿でゴールに到着する事が予想される。
川下り決行を熱弁主張し、倶知安市街富士見橋たもとの公園で僕を下ろしたKKは、そのままクルマに乗ってゴール地点に向かって行った。
雨は一応やんだけど、雨上がりの風はひんやり冷たい。
もう30代後半なのに、しかもこんな時にTシャツ短パン姿の自分を強く恥じた。
タンデム用に組み上げた我がボイジャー号を川まで降ろしてみる。
「アッ、いか~ん!底の穴補修してねぇ!」
このままでは沈没とは言わないまでも、バスタブに半身浴ぐらいした姿でゴールに到着する事が予想される。
「おのれ…尻別川め…」
と、得意の責任転嫁をしてみたが、いつも通り何の解決にもならなかった。
補修用のモノをなんにも持ってない。
ウカツであった。
そして、お金を持ってなかったのである。
簡易的な補修ができるガムテープはおろか、うまい棒一本すら買えないのだ。
このままKKが来なかったら、その辺で草をはみ、家畜を襲って暮らさなければならないのである。
しかし、ゴール地点にクルマを置き、チャリに乗り換えた期待の星KKはほどなくやってきた。
「KK!携帯はよ!?」
ガムテープを買う金もないから、KKに金持ってくるように話をしたかったのだが、何度携帯に電話かけても出なかったのだ。
「持ってきてないよ」
答えるKK。
以前の川下りで、沈もしていないのに、更にはジップロックに携帯を入れていたのに、携帯を水没させてしまうというほろ苦い経験をしたKKは、今回は携帯をクルマに置きっぱなしにしてきたという。
(余談:瀬ではねた水がコクピット内に入って少し溜まり、KKが船底に落としていたジップロックにだけたぷたぷと水が入り、中に入っていた彼の携帯はひっそりと息を引き取ったのだった。 ジップロック ジップしなけりゃ ただの袋)
僕は財布をクルマに置きっぱなし。
まったくウマく噛み合わない我々である。
「なんで携帯持ち歩かないのよ!KK、財布はよ!?」
「置いてきた。けどジュース買おうと思って300円だけ持ってきた。お前の分とあわせて。」
ぐっ…
こっちは怒りたいのに、何だその優しい心遣いは。
それは、『思いやり』というものだぞ…
フネの底に穴が数ヶ所あいていて、補修用具を持ってないことを話す。
KKの心遣いは、ジュースからセロテープへと変化したのだった。
(300円じゃガムテープ高くて買えなかったのだ…情けない大人である)
一応厳重に船底にテープを貼付け、一応の準備は整った。
KKはしきりに熱帯雨林のような背の高い草のジャングルをチャリで駆け抜け、葉っぱがびちゃびちゃと体にひっついて気持ち悪かったことを訴える。
お気持ち察します。
では、早速下ってしまいましょうか。
ワクワクするほど楽しかった計画は、この時すでにやっつけ企画へと変貌していた。
今までの川下りで、これほど出発が虚しい感じのしたことがあっただろうか…
川下り、一応スタート
漕ぎ出す。
いきなり早い本流の流れに合い、テトラに横っ腹をこする。
あぁいやだ。
どんよりとした曇り空、冷たい風。爽快感は最小レベルだ。
「このコース、やたらと岸が薮だらけだな」と感じる間もなく、ブユが我々に襲いかかってきた。
つねに4、5匹のブユが二人の周りを飛び回る。
スピードを上げて振り切りたいが、なかなか思うように進まない。
漕ぎ始めて間もなく。川はトロトロゾーンに入ってきている。
パドルでブユを追い払いながら漕ぐから、余計にスピードが出ないのだ。
さっきのKKの気持ちに恩返ししてやろうと、後席に乗った僕はKKの背後にまとわりつきながら飛ぶブユをパドルで追い払ってやる。
しかし不安定な水の上、わざとじゃないけどKKの頭を叩いてしまう。
「お前っ!何すんのよ!」
KKが叫ぶのが面白くなってきていた僕は、わざとパドルをぶつける事に目的が変わってきていた。
友達っていいなぁ。
と、僕だけが思っていただろう。
しかし川幅があるのに奴らはしつこい。
中洲によって川が分かれ、薮が迫るとブユが多くなり、追い払ってはスピードが落ち…
こんな事を繰り返す川下り。
尻別川は『日本一の清流(国土交通省調べ)』だが、透明度はサッパリ。
全くキレイな川に見えない。
濁り淀んでいる。
そしてついには雨が降ってきた。
寒い!
イヤだぁ~!
帰りた~い!
正直、”やって損した”感が僕らを襲っていた。
ふと気が付くと、向こうに『ここはダムです!』のカンバンが!
ロケハンで確認したエリアに入ったのだ。
やった!
着いたぞ!
沈もしていないのにずぶ濡れの僕らは、この時ようやく安堵の声を上げたのであった。
今回は写真無しの文のみです。
ナゼかと言うと、キレイでもなく楽しくもなかったからです。
うわっ、ネガティブ。。。
と、得意の責任転嫁をしてみたが、いつも通り何の解決にもならなかった。
補修用のモノをなんにも持ってない。
ウカツであった。
そして、お金を持ってなかったのである。
簡易的な補修ができるガムテープはおろか、うまい棒一本すら買えないのだ。
このままKKが来なかったら、その辺で草をはみ、家畜を襲って暮らさなければならないのである。
しかし、ゴール地点にクルマを置き、チャリに乗り換えた期待の星KKはほどなくやってきた。
「KK!携帯はよ!?」
ガムテープを買う金もないから、KKに金持ってくるように話をしたかったのだが、何度携帯に電話かけても出なかったのだ。
「持ってきてないよ」
答えるKK。
以前の川下りで、沈もしていないのに、更にはジップロックに携帯を入れていたのに、携帯を水没させてしまうというほろ苦い経験をしたKKは、今回は携帯をクルマに置きっぱなしにしてきたという。
(余談:瀬ではねた水がコクピット内に入って少し溜まり、KKが船底に落としていたジップロックにだけたぷたぷと水が入り、中に入っていた彼の携帯はひっそりと息を引き取ったのだった。 ジップロック ジップしなけりゃ ただの袋)
僕は財布をクルマに置きっぱなし。
まったくウマく噛み合わない我々である。
「なんで携帯持ち歩かないのよ!KK、財布はよ!?」
「置いてきた。けどジュース買おうと思って300円だけ持ってきた。お前の分とあわせて。」
ぐっ…
こっちは怒りたいのに、何だその優しい心遣いは。
それは、『思いやり』というものだぞ…
フネの底に穴が数ヶ所あいていて、補修用具を持ってないことを話す。
KKの心遣いは、ジュースからセロテープへと変化したのだった。
(300円じゃガムテープ高くて買えなかったのだ…情けない大人である)
一応厳重に船底にテープを貼付け、一応の準備は整った。
KKはしきりに熱帯雨林のような背の高い草のジャングルをチャリで駆け抜け、葉っぱがびちゃびちゃと体にひっついて気持ち悪かったことを訴える。
お気持ち察します。
では、早速下ってしまいましょうか。
ワクワクするほど楽しかった計画は、この時すでにやっつけ企画へと変貌していた。
今までの川下りで、これほど出発が虚しい感じのしたことがあっただろうか…
川下り、一応スタート
漕ぎ出す。
いきなり早い本流の流れに合い、テトラに横っ腹をこする。
あぁいやだ。
どんよりとした曇り空、冷たい風。爽快感は最小レベルだ。
「このコース、やたらと岸が薮だらけだな」と感じる間もなく、ブユが我々に襲いかかってきた。
つねに4、5匹のブユが二人の周りを飛び回る。
スピードを上げて振り切りたいが、なかなか思うように進まない。
漕ぎ始めて間もなく。川はトロトロゾーンに入ってきている。
パドルでブユを追い払いながら漕ぐから、余計にスピードが出ないのだ。
さっきのKKの気持ちに恩返ししてやろうと、後席に乗った僕はKKの背後にまとわりつきながら飛ぶブユをパドルで追い払ってやる。
しかし不安定な水の上、わざとじゃないけどKKの頭を叩いてしまう。
「お前っ!何すんのよ!」
KKが叫ぶのが面白くなってきていた僕は、わざとパドルをぶつける事に目的が変わってきていた。
友達っていいなぁ。
と、僕だけが思っていただろう。
しかし川幅があるのに奴らはしつこい。
中洲によって川が分かれ、薮が迫るとブユが多くなり、追い払ってはスピードが落ち…
こんな事を繰り返す川下り。
尻別川は『日本一の清流(国土交通省調べ)』だが、透明度はサッパリ。
全くキレイな川に見えない。
濁り淀んでいる。
そしてついには雨が降ってきた。
寒い!
イヤだぁ~!
帰りた~い!
正直、”やって損した”感が僕らを襲っていた。
ふと気が付くと、向こうに『ここはダムです!』のカンバンが!
ロケハンで確認したエリアに入ったのだ。
やった!
着いたぞ!
沈もしていないのにずぶ濡れの僕らは、この時ようやく安堵の声を上げたのであった。
今回は写真無しの文のみです。
ナゼかと言うと、キレイでもなく楽しくもなかったからです。
うわっ、ネガティブ。。。
北海道の川を旅…したのか?《後志利別川~尻別川 6/E》
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Posted by 餅 at 22:22│Comments(0)
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