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2009年01月10日

北海道の川を旅する《十勝川リベンジ 4》

 川での出会い

女子高生との出会いを企んで…という出会いではない。
無人の川を行く痛快さをイヤというほどアピールしている割には、実はこっそり淋しくて川下りで人と出会うとけっこう嬉しいもんなんだ。
たいてい、釣り師との出会いになるんだけど。
今回、川のど真ん中で、不思議ないでたちをした人物に遭遇した。
明らかに釣りをしている格好ではない。

こちらを向いて微笑んで「気持ちよさそうですね!」と声をかけてきてくれる。
「この時期の川の気持ちよさったらないですよ!」とか応えつつ、(この人は何をしているのだろう?)と考える。
なんで反射材ついたオレンジのベスト着てるの?

 「あの、何をされているんですか?」

と、速度をゆるめながら聞いた。

 「ここに護岸をつくる調査をしてるんです」

 「あ、そうなんですかー、ご苦労さまですー…」

と、流れにのって通過。。

何!何だと!
そういう奴らだったのか…と少しムカっとくる。
君たちの作る護岸や、設置する消波ブロックなどの人工物によって、僕ら川下りをする人間は危険な目にあい、不愉快になる。
それらが適切な設置であればまだ良いが、まったく的を射ていないものが多く感じられる。
”仕事のための設備”を作り出す行政。
それが無駄であるのか有益であるのかは彼らにはあまり関係ない。
誰かが潤うために事業をする事が大切なのであって、それにぶら下がるヒトや会社があるからいつまでたってもこの連鎖は終わることがない。
残念なことに、そういう構図の中の一部ではあるが、僕の会社も入っているケースがある。

色んなことを考えては、楽しいはずの水の上で少し暗くなったりしてしまう。

スイープを入れ、フネを瀞場の中で180度回転させると、日高山脈が見えた。

北海道の川を旅する《十勝川リベンジ 4》 

そしてこの日一番の難所に差し掛かる。
広い川幅がぐっと右に寄って狭くなり、流れが集まることで波立ち、瀬をつくっている。
その瀬の上には、岸から張り出した木の枝が出ている!
しかも本流の右寄りに岩が絡んでいる!

 「うわちゃっ!これはマズ~い!!」

無理矢理水流によってスピードを上げさせられたカヌーは、デンと陣取った岩に体勢を崩され傾く!
枝が障害となっている部分に吸い込まれていく!
傾いた艇を、魅惑的な腰のフリでなんとか調整し、上半身をかがめて木の枝の下にもぐっていく。
単純に怖い!!
パドルで迫り来る枝々を上にはねのけながら、なんとかこの区間をクリア。
変な汗が出た。
去年はこんな場所なかった。
川の流れは、しょっちゅう変わるものなのだ。
艇のバランスの良さに助けられて、ここは切り抜けることが出来た。


 そして川での出会い

過ぎ去ってしまえば、恐怖なんてすぐに快適さに打ち消されてしまう。
ノドモト過ぎればナントヤラ。
去年は沈と倒木ストレーナーへの激突ですっかりへこんでしまったけど、今年はなんとかなるような気がして、根拠の無い自信がみなぎっている。
「去年よりは多分上達してるだろう」という安易な想像だけが頼みの綱だ。
しかし現に、去年ははるか遠く思えた宿営ポイントは、あっと言う間にやってきた。
恐ろしいほど、順調である。
祥栄橋たもと。
ここに泊まるのは2回目だ。
去年の経験があるから、今年は準備万端でこの最適なポイントに乗り込む。
実はこのポイントは、水路によって陸地から分断されている。
しかしながらロケーションと利便性はバツグン。
1回しか泊まってないけど、すっかりお気に入りになってしまったのだ。
フネを寄せようとしたその場所には、釣り師がいた。

 餅「こんちはーす、すいません通ります」
 釣 -いったん竿を上げ、うなづく-

釣り師、下流側に移動。
僕はフネから降りて、より適した場所を探しに、そのデカイ中洲を歩いて探索する。
もっと下流側に砂地があって、そこにテントを張れば、面倒くさいエアマットを用意しなくても快適に横になれそうだった。
再び上流側からカヌーに乗って、その最適な場所まで下る。
また釣り師の前を通る。

 餅「ごめんなさい、もっかい通ります^^;」
 釣「どうぞどうぞ、僕ももうやめるとこです。^^」

北海道の川を旅する《十勝川リベンジ 4》 

川からフネを上げ、野営準備をしていたらさっきの釣師がやってきた。

 釣「ここでキャンプするの?どこまで行くの?」
 餅「えぇ、一晩ここで泊まって明日帯広まで下ります」
 釣「へぇー、いいですね!」

聞けばその人も札幌から来たという。
十勝川ではニジマスやヤマメを狙って早朝からやってきたが、全く釣れなかったらしく、仕事の都合上日帰りなんだそうな。
(札幌から帯広までクルマで片道3~4時間かかる)
実に気の毒。
僕はこれから極上のキャンプをし、バカみたいに酒を飲むのである。
そのおじさんは関西出身で、京都生まれの僕となんだか境遇が似ていた。
ひとしきり話をし、おじさんは藪の中に消えていった。

さぁ!
人と会話をするとなんだか元気が出てくる。
川下りをやっている中での最高の楽しみのひとつ、キャンプの準備をしよう!

さっそくテントを設営し、準備にかかる。
この夕方というのはやることがたくさんあり、キャンプでは最も忙しい時間帯だ。
北海道の川を旅する《十勝川リベンジ 4》


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この記事へのコメント
初めまして、ちん婆と申します。

餅さんの紀行文を読むたびに、
無性にカヌーに乗りたくなります。
といっても、
ここ数年はトップヘビーになってしまって
ご無沙汰ですケド ^^
いつも読み逃げ専門(笑)ですが、
また寄らせて頂きます。
Posted by ちん婆ちん婆 at 2009年01月10日 04:05
ちん婆さんはじめまして!
コメントありがとうございます。^^
継続的に読んでもらえているのですか!!
うれしいなぁ。
ちなみに僕はカヌイストとしては妙に背が高く重心も高いので、『最もバランスの悪いカヌイスト』と言われています。(笑)
Posted by 餅 at 2009年01月10日 09:46
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