北海道の川を旅する 《後志利別川10 前3》
地蔵効果
夜中の2時頃、目が覚めたが特にコレといって霊現象みたいのも起きてない。
瀬音がやさしく響く。
そのまままた寝てしまった。
きっと地蔵様が僕をお守りしてくれたのであろう。
と、一応考えておこう。
すっかり僕の食事の新定番となった『どんべえ(そば)+さんま蒲焼缶詰』。
これは間違いなくうまい。
そう言えば今日は、妻子とその友達グループが滝野でキャンプをする日である。
川を上がったら合流する約束。
我ながらタフである。
川で遊んで180km戻って、再びキャンプなんである。
がんばらねば。
サッサと川下りを終えて、サッサと風呂に入って、サッサと滝野を目指さねばなるまい。
キャンプ道具をまとめてクルマに放り込む。
残るはボイジャー。
当然ながら川下りをしなくては。
しかしこの時、長距離を行く気持ちはサラサラなく、地蔵のあるA地点から出発してB地点までの超短距離川下りである。
距離にして500メーターぐらいであろうか。
とにかく、新記録である。
こんな短い川旅、したことない。
レベルとしては、旅というより水遊びである。
B地点、そして滝野へ
前日も下った住吉橋直下の瀬へ入る。
前日のサーフィンが気持ちよかったので、また今回もしばらくサーフィンをして楽しむ。
住吉橋水位は25.06m。
これが今後の旅の指標となるだろう。
B地点近くまで行っては、Uターンして漕ぎあがる。
A→Bまでの間をたっぷり時間を使って遊んだ。
B地点にはさらにザラ瀬に毛が生えたような瀬が待ち受ける。
ここの瀬でもサーフィン。
いままでフェリーグライトやバックフェリーの練習を真剣にしたことがなかったので、ここで真剣に練習をする。
あと技術的に足りないものはロールぐらいだ。
しかしボイジャーでロールはまず不可能である。
だいたいにして、ボイジャーで沈することがかなり困難である。
そして浅い川。
ロールはほぼ、意味が無い。
でもパドラーとして、「ロールできるもんね」と自慢するのは、ある意味夢なのである。
今年の夏は、海でロールできるように練習したいと思う。
先にクルマを回しておいたB地点で記念撮影。
たまにはオレオレ画像を撮っておかなければ、後から紀行文として読み返してもイマイチ面白くないのだ。
川の水は最近見た中では最も美しい。
しかし、干上がった川岸には汚染物質が渇いて、まるで白いとろろ昆布のように砂利にひっついている。
全てはピリカダムのせいである。
あんのヤロウ…
その後帰り道、奥ピリカ温泉(混浴)に浸かってのんびりする。
ふと気がつくと上空を悠然と飛ぶ猛禽が。
「まさか、クマタカ!?」
飛翔の姿が図鑑で知るそれに似ている。
まさか、クマタカがこんなところで…
そうかもしれない、そうじゃないかもしれない…
と思っているうちに、小さい猛禽がどこからともなく現れた。
「まさか、ハヤブサ!?」
大きさからして、ハヤブサそのものである。
クマタカvsハヤブサなんて、ファンにとってはヨダレものである。
しかし、僕の大好きなクマタカ(らしきもの)がハヤブサに追われるように飛んで行ってしまった。
クマタカでは無く、別の猛禽であることにした。
露天でしばらくのんびりするが、再び彼らが現れることは無かった。
15時。風呂を上がりジュースを飲んでからクルマを札幌に向けて走らせる。
18時、無事に滝野のキャンプ場に到着する。
すでに妻子とその友達組は到着しており、肉を焼いている。
ソロではロクなものを食べない僕にとっては、それだけでご馳走である。
うちの子ノエが、楽しそうにしていて良かった。
しかしこの夜、僕のソロテントにノエが寝ると言い出し、仕方なくせまいテントに僕とノエは就寝した。
案の定、翌朝せまいテントで身動きの取れなかった僕は、激しく疲労していた。
まぁ、いいか。
なんとなく元気になれた、おだやかな3連休。
またすぐに後志利別川に行くぞ。
あなたにおススメの記事
関連記事