2011 夏至の旅 02

2011年08月11日 00:22

 6月19日am

朝4時に寝た僕だったが、朝8時には起きた。
天候は薄曇りながら晴れ。
M野氏は釣りに出かけている。
誰もいなかった浜に、何人かの釣り人が見える。
M野氏が帰って来、ヤマメを釣ってリリースした話を聞く。
近くで釣りをしていた人は、サクラマスを釣り上げていた。
大きいのを1匹見せてもらった。
キレイな魚であった。
だが僕は釣りには興味が無い。
どうも自分の性に合わないのだ。

買ってきたパンそのまんまの朝食の後、川下りの準備に入る。
M野氏と装備品の確認を行い、車に荷物を詰め込んだ。
さぁ行こう。
ずっと僕を呼び続けていた川は、すぐそこにある。
ゴール地点を確認する。
砂丘部分をえぐるように流れる歴舟川の河口。
広いプール部分があるが、そのプールから一筋の流れが浜辺に沿うように走っている。
その流れはけっこう強く、強い流れのまま海へと注いでいる。
太平洋の波は、相変わらず高めだ。
上陸地点の目印に、流木を砂に突き刺した。
M野氏と二人車に乗り込み、大樹町市街へと向かう。
出発地点を決めるのだ。
ふるさと大橋のたもとに川辺に下りられそうな道があったが、長い藪漕ぎが必要であったり、ちいさいが崖になっている場所があったりでスタートには適さないと判断した。
橋の上から川を覗き込むと、2年前と変わらぬ美しい水が流れている。
青い。
歴舟川が笑っているように見える。

 「やっと来たね!」

と話しかけてくれているようだった。
大樹橋横の運動公園をロケハンし、出発点に決める。
大樹橋の直下はおおきな岩盤の中を水が流れており、水中に細い水路が何本もある、いやらしい難所が続く。
漕ぎ出してすぐにこの難所をライニングダウンするのがイヤだったが、出発点としての性能は高い。

近くのスーパーで昼飯とビールを買い込む。
M野氏はこの後車で浜大樹に戻り、自転車で大樹橋まで13kmを漕ぎ上がってくる予定だ。
僕は大樹橋下の出発点でボイジャーを組み立てる。
橋げたを住処とするイワツバメが、突如として現れた僕を警戒して乱舞している。
ウォークマンから流れる奥田民生が心地良い。
全ての準備を整え、M野氏を待つ。
ぶらりとその辺を歩いてみる。

 

やって来たのだ、歴舟に。
そう思っただけで顔がニヤけてくる。
改めて見る『れきふね』の文字が嬉しくてたまらない。

M野氏から『まもなく到着』とメール。
胸が高鳴る。
M野氏に、この美しい歴舟を見てほしかったのだ。
自転車をデポジったM野氏が到着した。
簡単な準備を済ませた後、いよいよ僕らは川の流れに乗るんだ。
川の流れの上、誰にも邪魔されない、我々は完全に自由になる。

 

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