中仁淀橋を過ぎ、しばらくはおだやかな流れにのりながら、トロ場を進む。
ウーム、快適ではあるが、奇跡の清流と呼ばれる割には水に透明度が無い。
ナゼだ…前回の四万十も、出発時は停滞しなければならないほどの大雨に見舞われ、透明な川は体感出来なかった。
「まぁしゃあないか。高知で川下り出来てる事自体がありがたいんだからなー。」 (´ ▽`)
そんな事を思いつつ横畠橋にさしかかる。
前方に先行するグループが見えた。
「え!?SUP(スタンドアップパドル)!?」 (゚◇゚;)
湖でそれを楽しむ人たちを見たことはあったが、川をSUPで進む人たちは初めて見た。
「瀬とか落ち込みとかどうすんの??」
よく見ると最後尾でカヤックに乗った人が、前を行くSUP数人にゲキを飛ばしている。
スクールか?
お忙しいところ話し込むのも気が引けたので、あいさつ程度にゆっくりと追い抜いていく。
少し離れて先頭を進まれていたSUPの方と会話。
やはり、数日前にまとまった降雨があり、透明度はイマイチなのだそうだ。
予想以上に流れが無いため、その日の到着予定地黒瀬キャンプ場に着けるのかどうか気になっていた僕は、「黒瀬までどのぐらいかかりますかね?」と質問。
するとSUPのグループも黒瀬キャンプ場が目的地らしい。
SUPでも黒瀬まで行けるんだからファルトも大丈夫だろう、と何となく安心する。
そうこうするうちに、55MAPで調べていた最大の難所”放水口の瀬”が近寄って来ていた。
川が右へ大きくカーブしていくあたりで、なみなみと水を吐き出している放水口が見える。
川の深さとも相まって、少々怖い印象だ。
ゴーッ!!
一段と大きな瀬音をたて、中州を隔てた左側の流れの中に、ついに放水口の瀬が姿を現した!
ここにいきなり突っ込むのは危険だろう。
55MAPでも”オープンデッキやファルトは右側の流れを行け”とある。
岩が点在する中州にいったんフネを着け上陸、スカウティングにまわる。
「うぉ…(・_・;)」
明らかに僕が今まで経験してきた瀬の中で、最高難度である。
自分の目で見える部分の瀬のレベルは2.5級といったところか。波の高さもさることながら、岩が複雑に絡んでいる。
更に奥は大きな岩がらみで落ち込み、そこから下流側はどこに立とうとも見ることは出来なかった。
どうなっているかわからないところに突っ込む事は、単純に怖い。
カヤックなどは通過しているのだろうから行けなくは無いだろうが、ここはガイド本通り中州の右側にあるゆるめの瀬を行くべきだろう。
放水口の瀬に脅かされた僕は、心を落ち着けるためにそのまま休憩をとることにした。
岩に腰掛け、しばしボーっとする。
ほどなく先ほど追い越したSUPのグループが中州の右側を通過していった。
”通過していった”のなら良かったのだが。
少し下ったところで彼らも上陸。
そして…
全員こちらを見ているではないか!( ̄□ ̄;)!!
ギャラリーと化した彼らは、
明らかに僕に放水口の瀬を行けと言っているのである。
なななななな、何やねーーーーん!!!
エスケープすることにしたのにぃーーー、もぅ…・゚・(ノД`;)・゚・
しばらく休憩のフリして粘ったが、彼らもそこをどこうとしない。
・・・。
わかった。
よし。
行くしかないんでしょ!?
平岸水軍を見せてやるぜ!!!(半泣き)
撃沈しても、やむを得ない。
キャンプ道具一式を積んだボイジャーは、フルにその性能を発揮出来ない。
自分のウデを信じて、勝負だ。
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