4月3日。
このタイミングでキャンプに行くというのは、北海道ではノーマルな類に入らない。
若干、クレイジーなのである。
中には雪中キャンプを決行している、もっともっとアブノーマルな人たちもいるのだが、それに挑戦しようとしていた僕もまぁ、ほぼ同レベルなのだけれども。
行き先は洞爺湖。
水遊びできるギリギリの気温レベルで、それなりに満喫しちゃおうというのである。
洞爺湖という場所は、北海道の中ではかなり温暖な地域に入る。
気温の高い可能性に期待できるのだ。
従って、行き先は洞爺湖。
相棒は会社の先輩でありアウトドア仲間のM野氏。
元々、ツアー志向が高くあまりガヤガヤキャンプに興味が無かった僕が、彼に出会って彼と遊びに行くようになって、キャンプ自体に目覚めちゃって。
元々、ガヤガヤキャンプ志向で、体当たりで自然の中に突っ込むことに興味の無かったM野さんは、僕と出会ってツアーにのめりこんでいこうとしている。
つまり、お互いがお互いの領域に興味を持ち合うことで、お互いアウトドアグッズへの散財に拍車がかかっているというワケだ。
そんなワケで、まだ雪の残る札幌、M野さんが僕の影響で買ったというシットオントップカヌーをクルマに載せ、出発なのである。
出発時、雪が舞った。
そんな中、フネを積んでニヤケ顔で出発する我々は、近所の人からすると確かにオカシナレンチュウなのである。
そんなファニィな我々、洞爺湖を目指して出発しようとするのだが、さきほどのM野氏、
「わりぃ、朝6時半まで飲んでたから…運転できねぇんだ」
ぬゎぬぃっ!!
それって、確信犯じゃないのか…
仕方なく、車の運転が嫌いですと公言している僕が洞爺湖までのドライビン担当となる。
途中、中山峠やルスツなど、まだまだ雪深い場所を通る。
スキー場もまだ営業していて、スキーやボードを積んだ車と、我々のフネを積んだ車がすれ違う。
なんという対比であろうか。
しかし、洞爺湖に着くと、そこはすでに冬ではなかった。
我々のキャンプサイト。
オンシーズンに見えないかこれ?
気温もまぁ、いけなくもない5度を超えたあたり。
冬ではないけど、春というにもなんかまだ早い時期。
そんな、気もそぞろな季節なのである。
ここに写っているテントは、僕のアウトドア道具の中で2番目(サックスを入れたら3番目)に高価なTIERRA4である。
小川キャンパルも当家もご自慢の宝である。
フライが地面に接するタイプなのですきま風を防ぎ、寒い時期のキャンプに適している。
そしてM野氏ご自慢のシットオントップカヌー、FEELFREEのCORONAが出陣する。
SAPPOROご自慢の北海道限定ビールCLASSICも出陣だ。
自慢だらけのキャンプ、ここにスタートである。
しかしまぁ、水の上でビールを飲む、これを何ヶ月ガマンしていたことか。
気持ちよく、うまい。
思考能力が最低レベルに達する頃合いだ。
今回、一応サックスも持って行ったのだが、stay場所はかなり民家にも近く、吹くに吹けなかった。
ご自慢の一品、ここに没す。
しかしながらひさしぶりの水遊びはとにかく最高。
こんな時期にこんなに楽しんでしまう我々も最高。
冷たい風が強めに吹いてくるまで、ゆっくりと湖上散歩を楽しんだ。
洞爺湖にはまだコブハクチョウがいた。
こいつがまた、人間なれしていてかわいいのだ。
夕方。
飯炊きのために流木を集めるが、予想していた通り湿りに湿っている。
長い間雪に閉ざされていた湖畔、流木もずっとその雪の下にあり、この雪解けで水分を多量に含んでいるのだ。
仕方なく、乾いてそうな小枝ばかりを拾って、くべ続けていないとあっという間に燃え尽きる焚火を決行する。
前日に仕入れたそら豆を焼き(これがまた素朴でうまいのだ)、ゴハンを炊き、鍋を作った。
夜はやはりどんどん冷え込んでくる。
屋外にテーブルを広げて鍋で温まりながらメシを食って酒を飲んでたけど、あるレベルからはやはり限界を感じる。
ランタンの灯りがいい雰囲気をかもし出してきていても、寒いもんは寒い。
手許の温度計によると約2度である。
最高級2ルームテントTIERRA4のリビングスペースに場所を移動する。
換気を確保した上で、ガスヒーターで暖を取りながら酒を飲む。
8度ぐらいを保つリビングスペースだが、早寝で有名なM野氏は8時半頃に就寝。
さすが、朝6時半まで飲んでいたツケがまわってきていたのだ。
あぁ、ヒマだ。
外に出てみるとまだコブハクチョウのコブちゃんが我々のテン場の近くにプカプカと浮いていたので、残ったゴハンを与えて仲良くなる。
手に持ったゴハンを直接食べに来る。
ここまで慣れてしまっているのもどうかと思うが、まぁ、かわいいからいいか。
リビングスペースはヒーターの力をもってしても、少し寒くなってきた。
僕も歯を磨いて寝室に移動する。
その前の週、静内川にうちの子ノエと鳥見に行って車中泊したのだが、その時はマイナス5度ぐらいになり、エンジンを止めたクルマの中は相当な寒さになった。
とにかく顔が寒くてタマラなかった。
その時の教訓を活かし、今回はタオルを顔に巻き付けて寝ることにした。
結果、ベリグ!!
ダウンジャケットをかけたシュラフも良い仕事をしたが、MVPはタオルだった。
だが、テントはかなり結露した。
やはり4月の北海道はこんなもんだ。
翌朝はマイナス2度ほどになったか。
洗い物に張っていた水に、2センチぐらいの氷が出来ていた。
しかし太陽の力は偉大。
徐々に気温が上がってきて、普通に遊べるレベルになる。
今回はM野氏のハーモニカだけだったが、外にいて音楽があるのはやっぱりいいな。
水質はだんぜん支笏湖に軍配が上がるが、支笏湖ではこううまくいかなかっただろう。
支笏湖は標高が高いため、ずっと寒いんである。
とにかくシーズンをこじ開けたぜ。
次はゴールデンウィークの支笏湖4日間ステイである。
きっとすばらしい。
5月は山の野鳥が活発に動く季節。
朝は小鳥達のさえずりと、キツツキのドラミングの音で周りを支配されるはずなのだ。
あぁ、待ち遠しい。
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