支笏湖レイクツーリング 後
夕方。
真昼間っから飲み続けたビールのせいで、僕は酔っていた。
M野氏は「寝る」と言ったきりテントにこもったままである。
湖に突き出た岩場の先端に立ち、僕は飽かず湖を眺めていた。
その時、チチッ…と泣き声を放ちながら僕の頭上を飛んでいく鳥がいた。
「あっ!見なきゃ!」
これが失敗の原因であった。
酔っ払って足元のおぼつかない岩場に立っていた僕は、天空を仰いでしまった。
「いかん!」
思う暇もなく、僕はバランスを崩した。
イヨッ ハッ トッ…!
飛び石のように点在した岩の上を、ヨタヨタしながら飛び歩く。
しかし、アルコールの力は僕のバランスをむなしくも奪っていったのである。
結果、こけて湖に落ち、岩場で左足のスネを強打した。
僕のアウトドア史上最大の傷を負った。
ズボンを上げて見たら、傷口は大きく裂け、中には白いものが見えた。
「ヒィッ!」
こわくなってズボンを下げる。
幸いにして出血は最小限だ。
しかし、痛い。
猛烈に痛い。
10分以上も体が痛みで震えた。
でも、傷口を見るのはイヤだ。
怖い。
どうにか痛みに耐え、適当に晩飯を食った。
9時前だったが、僕も早めにテントにもぐりこんだ。
翌朝。
傷は痛んだが、せっかくの初漕ぎである。
水上散歩にでかける。
どんよりと曇り、霧が出てきているが水上は快適である。
霧が出ていても、水は清冽だ。
僕が昔から気に入っている場所にたどりつくと、岸に近い林の中に、クロテンの姿が確認できた。
水上散歩の後、適当にメシを食い、撤収。
ひとまずこのツアー、終了したのであった。
支笏湖西岸に位置する伊藤温泉へ出かけた。
前日の傷が痛むが、その痛みを押して露天風呂に入らなければなるまい。
案の定、痛かった。
この傷は、1ヶ月半ほどたった今も、まだ完全にふさがっていない。
傷の画像は無い。
気持ち悪いからである。
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