四国の川を旅する《四万十川 14/E》
最下流の沈下橋
三里の沈下橋を通過。
四万十川ももうこのあたりとなると、かなりの部分が瀞場と化す。
名残惜しむようにゆっくりとパドルを入れる。
水面に映る景色を壊さないように、ゆっくりとパドルを入れる。
上空にミサゴの姿を確認することが多い。
そうこうするうちに流れが出てくる。
少し出てくる流れも、最後だと思うともったいなく感じる。
思い描いた四万十川では無かったけれども、僕の川旅の中で最もドラマチックで印象的な旅になったことは間違いない。
長い瀞場、短い流れを繰り返し、僕と愛艇ボイジャーは四万十川最後の沈下橋である佐田の沈下橋にさしかかろうとしていた。
橋の上で観光客であろうか、家族連れの姿が見えた。
子供が「あ、舟がきた!」と言わんばかりによろこんで手を振ってくれる。
こちらもパドルを振って合図を送る。
ん?
ザーという瀬音が聞こえる。
まさか、ここまで来て瀬があるのか?
沈下橋の橋脚に、白いものが見える。
エッ!?
余裕でパドルを持ち続けた腕に思わず力が入る。
近くまで寄ってみると、橋脚に対して右岸側に流れがかなり鋭角にぶつかっているではないか!
橋脚にドテッ腹をこすり、横転沈の予感が走った。
まずい!max power!!
のんびり回想をしながら漕いできたけど、こんなところでフル回転である。
流れをナナメ横断するようなカタチで何とか橋脚に衝突せずに乗り切った。
子供たちが見ていたはずであるが、愛想など振りまくヒマも余裕もなかった。
気がつくと、空がずいぶんと広くなっていた。
中村。ゴールへ
向かい風が強く吹いてきている。
海が近いのだ。
黙っていると風で押し上げられてしまうような風だ。
進め。
ゴールして岡山行きだ。
そして札幌に帰ったら大切なものを確認するのだ。
右岸には緑地公園化された堤防が、左岸には建物が多く見えるようになってきた。
あぁ、ついに。。
赤鉄橋が見えた。
ゴールだ。
上陸。
強風と対峙し、ヘトヘトである。
感動に包まれるゴールではなく、疲労に包まれたゴールとなった。
この川旅の終点・・・
いや、この川にはもう一度来ることになるだろう。
だから、ここは終点では無いことに決めた。
この旅に出る前に漠然と感じていた何か大切なものを失ってしまう予感は見事に外れた。
失わずに、あらためて発見できたのであった。
僕の旅は、まだまだ続くのである。
上から、かまわぬの日本手ぬぐい、モンベルの長T、首から下げたサイトマスター、TNFのパンツ、日本野鳥の会バードウォッチング長靴。
愛艇ボイジャー460T。
秀岳荘オリジナルのゴムバンドも、ゴール。
*** おまけ ***
■見かけた鳥
・カワセミ
・セッカ
・ウグイス
・キジバト
・シジュウカラ
・ヤマガラ
・ヒヨドリ
・ミサゴ
・オオタカ
・トモエガモ
・ダイサギ
・アオサギ
・ゴイサギ
・トビ
以上、「多分」も含む。
ツツドリも声だけ。
カラスの類、スズメは省略。
■聞いてた曲
・we are the world/usa for africa
・pick up the pieces/candy dulfer
・am i the same girl/swing out sister
・sea line-rie-/角松敏樹
・split kick/horace silver
・better the devil you know/kylie minogue
・1/6の夢旅人2002/樋口了一
・leave a light on/belinda carlisle
・虹/ゆず
・情熱大陸/ムジカムボンテver
・the wild one/suzi quatro(平岸水軍テーマソング)
(笑)
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