四国の川を旅する《四万十川 10》

2013年06月18日 23:17

 かわらっこに上陸

漕行は午前だけで切り上げだ。
雨も降ってきた。
そして翌日、かわらっこで岡山からいとこ家族が合流することになっている。
四万十YHでだいぶ癒えたとは言え、人恋しさはいまだにハンパない。
とりあえず見知らぬかわらっこのスタッフに会いたい。笑
かわらっこの河原に上陸だ。
弱い雨が降ってきたが、四万十の川の風情が何とも心くすぐる。
しっとりとした春の小雨だ。

 

管理棟へおじゃま、チェックイン。
ひとまずビールだ。
今日はフネの上で飲んでいない。
かわらっこで最初の買い物はビール。
時間はたっぷりとある。
今日はこの後、何本飲もうかな。

 

ここはキャンプ場。
そして雨が降ってきている。
スクリーンタープ借りよう。
ランタンも、テーブルもチェアも。
大人の財力で借りまくる。
しかもタープはスタッフが張ってくれるという。
YHに泊る勢いの出費で、あれこれ借りまくった。
コインシャワーですっきりしたあと、まったり。
雨は徐々に強くなってくる。
こんな時は読書だ。

 

椎名誠の『わしらは怪しい雑魚釣り隊 サバダバサバダバ篇』を読む。
思わず吹き出してしまう、バカバカしい小説だ。
このテの本は、ずんずん読み進めるのがいい。
ノーテンキさが痛快で気持ちいい。
タープのキャノピー部に雨水が溜まるので、パドルでつっかい棒をした。


 極上テント生活

 

今回の旅ではまだSTのフライシートを張ってない。
かわらっこでもインナーだけだ。
ビールをもう何本飲んだことだろう。
テーブルの上も充実している。
魚の形をしたボールペンは、今回僕がチョイスした平岸水軍フラッグシップの筆記用具である。
尾びれ型のキャップはしっかりと水をガードしそうだ。
仕事では使えそうもない。

 

それにしても、だ。
最初に泊ったカヌー館の四万十ひろばキャンプ場ではまだ他にキャンパーがいたが、かわらっこには誰もいない。
僕ひとりである。
平日だし、4月だし、当然なのかもしれないが徐々に淋しくなってくる。
夕方になると薄暗くなってきて、その思いもひとしおである。

 「一人の楽しさがある。淋しさって、そんなに悪いもんじゃない」

と豪語していた自分が恥ずかしくなる。
さみしいなぁと思いつつ、缶詰を食べたりラーメンを作って食べたり。
人のいなくなった管理棟をぐるっとしてみたり。
ネコと遊んでみたり。
なんだか淋しさが増長してくる。
雨がタープを打つ音しか聞こえるものはない。
この日もまた、札幌の友達からたくさんパワーをもらいつつ、寝た。


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