四国の川を旅する《四万十川 06》
ぼちぼち進めないと忘れてしまいますね…
一日目の川行
川は優しいスピードで流れ続けた。
やはりカヌーツーリングとはこういうのんびり系でなくてはなるまい。
たまに現れる瀬もまた、それはそれで楽しいのだが。
艇の上で飲むビールを、僕は大切にしたい。
瀬は、ビールをこぼすのである。
網代を越えると、川の蛇行もいったんゆるくなる。
直線部はビールを飲むのに最適だ。
流れる景色は、漕力によるものではない。
方向修正のためにたまにパドルを川面に入れる程度だ。
ゆったりと四万十は流れた。
前日、長生の沈下橋、半家の沈下橋などを見てきたが、川から眺める沈下橋は次が初めてだ。
岩間の沈下橋が見え始めていた。
すでに沈下橋とは数本対面しているとは言え、川からの対面は初めてである。
なんか、いいな。^^
川下り最初の沈下橋を、休憩ポイントに定めた。
右岸下流側には岩間キャンプ場もあるはずだ。
四万十の流れの中に点在するキャンプ場を確認するのもまた、ひとつの趣である。
上陸。
札幌からやってきた僕とボイジャーの初休憩スポットだ。
そう思うと、この四万十ではありふれたこのショットも絵になるではないか。
体を締め付けていたPFDを脱ぎ、トレードマークとなった”かまわぬ”の日本手ぬぐいを頭から取り去り、タバコに火をつけて煙を吐いた。
高知め…
四万十め…
好きだぜ。。
沈下橋に思う
「冷たい泉に素足を浸して~♪」
princessprincessの名曲『ダイアモンド』の一節である。
まさにダイアモンドに素足を浸す瞬間だ。
実はパドリングブーツで締め付けられてムレていた足を解放したかっただけである。
しかし、気持ちいい。
ぼうっと対岸を見渡すと、展望台のようなところに誰かがベンチに座って休んでいたりする。
まさに四万十川は、『生活の川』だ。
彼らにとっては日常的な風景も、北海道からやってきたパドラーには特別なワンシーンだ。
この欄干の無い橋を、車が、自転車が、子供たちが通り抜ける。
僕も歩いて行ってみたが、慣れない身には少し怖い。
もう少し暑ければ飛び込みたいところだったが。
水温は、いかに高知と言えど、ウェットを着ていると言えど、それを許すような温度では無い。
すでに、もう一度四万十を訪れるべき理由を作り上げている自分がいた。
飛び込んで泳ぐ。
この笹濁りのタイミングでは無く、清流の四万十でそれをやりたい。
ぼやっと30分ほど休憩してしまった。
さて、出発。
装備品を再び装着する。
記念写真はセルフタイマーで。
今夜の宿にした四万十川ユースホステルまでは、もうそれほど距離も無かった。
心地よい流れに乗りながら、近代的な芽生大橋を過ぎる。
四万十にはちょっと似合わないかな。
ほどなく四万十川ユースホステルに到着する…予定が、ユースの場所がよくわからない。
ゆったりとした川の流れを利用して、川の上から電話をかけた。
目印を教えてもらい、ユースホステル近くの河原に上陸した。
フネを川から引っ張り上げると、その重量が旅の重みを痛感させる。
「これがこの旅の命だ…」
なんて思いながら引き揚げる。
防水パックでちまちま備品を仕舞うのが面倒で、バッグ自体をでかいビニールの布団袋に入れて、破れを防止するためにさらにそれを土嚢袋に入れてスターンにしまい、水から防御する。
これがまた機能するのだ。
しかし、重い。。
だが、今宵のぜいたくなメシ、布団に期待して足取りは軽かった。
あなたにおススメの記事
関連記事