世界遺産で鳥 その4
もう興味がなくなってしまうぐらいに鹿は知床ではハバを効かせている。
森歩きの後半、僕もノエも鹿がいたからと言って反応することは無くなった。
その代わり、ようやく姿を現してくれたよ、鳥さん。
アカゲラもしくはオオアカゲラである。
この鳥は北海道ではさして珍しい種ではない。
が、こうも鹿を見せ付けられた後ではつい後追いをしてしまうほどに新鮮であった。
寺田さんいわく「本当はもっと小鳥たちが多い森」なんだそう。
しかしシーズンはまさにオオワシ・オジロワシ飛び交う真っ最中。
小型の鳥類は警戒して存在をそっと隠しているのだろう。
森歩きも終盤。
フレペの滝を見下ろす。
断崖から吹き出した水が凍りつき、寒々しくも美しいブルーの姿を見せてくれた。
最後は自由に。
知床の森で僕もノエも雪の上に寝転がって天を仰ぐ。
終始曇天。
しかしながら、自然の奥深さ、知床のパワーを感じずにはいられない森歩きだった。
やっぱり、山や森は冬に限る。
ウトロの街まで寺田さんに送ってもらい、ツアーは終了となった。
トレッキングで多少満腹感も薄れたので食堂に入る。
カツ大好きな僕はカツ丼を頼んでしまう。
これが、大ハズレ。
まずいとか高いとかそういうのではなく、デカいのだ…
せっかく楽になってきた体に、ボリューミーなカツ丼。
頼んでないのにカツ二枚。
あぁ、もう…
再び満腹となり気持ち悪くなった僕と、ラーメンでひと心地つけたノエは、レンタカーでさきほど訪れていた世界遺産登録の地へ再び踏み込む。
目的地は岩尾別だ。
ここにもちいさな川が流れており、猛禽が期待できる。
しかし、いたのはエゾシカだけで、肝心の猛禽は一羽も確認出来なかった。
仕方なく宿へと戻ることにした。
斜里までの道を走り出すと、途中真っ白な胸~腹~翼(の裏側)を見せる猛禽がカラス5羽ほどに追われていた。
オオタカであった。
今まで見た事の無かったオオタカが、知床ではすでに2羽も見られたことになる。
ウトロを過ぎ、右手にオホーツクの海を眺めながら斜里を目指す。
ノエは疲れたのか、寝てしまった。
ふと差し掛かった地点、夕日がきれいで思わずクルマを停めて、外に出た。
「いやぁ、キレイだなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アァッ!!!!!」
数羽で群れ飛ぶオジロワシたちがすぐ近くを飛んでいるのを発見、すぐさまカメラを向ける。
初挑戦、飛翔姿の撮影。
多少ヘタクソだけど、やった!撮ったぞ!!
ひとり興奮する僕、ノエは起こしても寝たままであった。
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