北海道の川を旅する《幻の歴舟川07 5》
実際下ってるのは、日本一の清流(国土交通省調べ:失笑対象)『後志利別川』です。
寒さに屈す
焚き木集めで、生足で対岸に渡り数回往復するといった暴挙に出た我々に、ついに天罰が下る。
(いや、罰を受けるような行為ではないけど…)
また太陽は雲に隠れ、水辺独特の冷たい風が吹き始めた。
それも、けっこう強く。。
アッという間に寒くなった、正確には冷たくなった我々は、耐えきれずパンツから着替える。
おぉぉ・・・・・・
至福の瞬間であった。
こんなにパンツが素晴らしいものだとは今まで生きてきた中で気がつかなかったよ。
更に冷たくなった腕を覆うように、長袖Tシャツとウィンドブレーカを羽織る。
当然、ズボンは長いものに。
餅「なぁKK、服ってすばらしいな。最高だよ。」
KK「靴下も最高だぞ。」
普通こんな会話しないよ…
僕らは日常生活において、特に『衣』に対する感謝の念を忘れかけているのではないか。
だって、
『靴下も最高だぞ』
って。
一体どう最高なのよ?説明できないほど、ありがたく思ってるってワケだ。
とにかく最高だけど(これは体験した人にしかわかるまい)、上から下まで総額3,000円ぐらいでしかも古い服に包まれた我々は、恍惚の表情を浮かべてバンメシの買出しに向かったのだった。
後志利別川
今回は後志利別川を呪うような川下りになってしまったが、去年に引き続き野営スポットに選んだ川原は最高である。
近くにグラウンドがあり、そこには水道もあるのだ。
残念だったのは今年、水辺にかなりのヘドロがたまっていたことであった。
「清流日本一」
と言葉を発すると、KKはものすごくウザそうな顔をした。
餅「日本一の清流でジャガイモ洗うか?」
KK「…いや、やめとけ…。」
正直、そんなにきれいじゃないのである。
何見てんの?国土交通省。
BODだけでは測れない、美しさの基準があるでしょーに。
ホントくだらねー調査だ。
それにノセられてる流域の方々がかわいそうだよ。
数値結果だけを知った住民の方が、「うちの町の川は日本一なんだ」と他人に自慢してしまうじゃないか。
加えて申し上げる。
アンタらが最も愛護してないくせに、『河川愛護週間』なんて設けるな。
だいたい、"その期間だけ自然を愛しましょう"的な間に合わせの企画モノなんて不要だ。
今回、我々がちょっと下っただけなのに、あんたらの主導で行われている護岸工事にまた遭遇したぞ。
なーんにもない、まっすぐでおだやかな流れの、その川っぺりで。
そんな奴らに川を愛する資格など無い。
アンタらの行いに川が、自然が、地球が怒り、グーパンチを見舞う時、我々もその巻き添えを食うのだ。
おおげさに言えば、世界がもうとりかえしのつかない状況に陥っているじゃないか。
地球が終わる時、僕らにはどこにも逃げ場がない。
こんな恐ろしい事が、もうすぐそこまで来ているのだ。
っと、それたそれた。
僕は文句を言うために川下りをしているのではない。
少しでも長く、せめて今の環境を守って、オモシロおかしく川下りをしたいだけなのだ。
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