北海道の川を旅する 《十勝川06 2》

2008年10月15日 18:47

2006年07月17日18:34

 十勝川温泉

時刻は9時を少し回ったところ、川旅の到着予定ポイントの十勝川温泉にようやく到着。
バス停もチェックしてきた。
そのバス時間までは、あと30分ほどある。
徒歩移動用に荷を組み替えた。

 「イプーちゃん、待っててよ~!」

と、車にしばしのお別れを告げ、ザックを背負い、カヌーを載せたカートを押した。
想像以上につらい。
両方合わせて40キロぐらいか。
ヨタヨタと歩く…バス時間が迫る!
バス停が見えた!
バスが交差点を曲がってやってくるのも見えた!

 「うわぁん!間に合わん!」

バスはバス停を過ぎ、こちらにやってきた。
手を上げビュンビュンと振り、なんとか止まってもらった。
助かった~。
しかし、バスに乗るとわかったのだが、こういう大荷物は他のお客さんにとっては単に邪魔なものでしかない。
カヌーのバッグだけで、通路の6割ほどの幅を占めてしまう。
なるべく場所をとらないように、荷物をビッチリ引き寄せて座った。
この時間がつらい。
早く帯広駅に着け~と心で何度も叫ぶ。
先に乗っていたおばさんに声をかけられた。
何人か連れで、温泉に泊まってきた後なのだろうか。

 オバ「(カヌーの入ったバッグを指して)これ、カヌーが入ってるの?」
 餅「はい、そうなんですよ」
 オバ「これで十勝川を漕ぐの?」
 餅「ええ、これから、ですけどね(笑顔)」
 オバ「へぇぇぇ、すごいわねぇ、気をつけてよ」

少し気が楽になる。
帯広駅には、40分弱で到着した。
10時半だ。


 乗り継ぎ

帯広駅からは電車を使って、御影という駅まで行く。
駅からはタクシーで出発点に行くつもりだ。
それにしても、帯広からの電車は、12:55発。。。
なんと乗り継ぎの待合い時間は2時間半もあるのだ!
ヒマすぎ!
この時間を利用して、帯広名物”豚丼”を食べようと思ったけど、売店に売っている駅弁の豚丼は、お値段1,100円。
とても買って食べたくなるようなな金額じゃない。
サッサと見切りをつけ、350円ののり巻を買った。

帯広はこの時間、晴れてすでに32度。
天気予報が外れてくれて本当に嬉しい。
駅前の木陰があるベンチで、早めの昼食をとる。
32度あっても、湿度は低く、とても過ごしやすい。
ここで本でも読んで時間をつぶしたかったが、昼間からワンカップをあおっては騒いでいるオッサン達がいて、すぐ近くまで来てはタバコを吸って行く。
不愉快なので駅の待合室に場所を移した。
『日本の川を旅する(野田知佑氏著:新潮社刊 ISBN:4101410011)』僕の愛読書だ。
長い待ち時間を、何度も読んだこの本をまた読んで過ごした。
ようやく電車の出発時間が近くなる。
改札を抜け、ホームに行ってみると、電車は”汽車”で、一両編成だった…
いいなぁ、ローカルで。
しかしここでも僕の荷物は邪魔者でしかない。
御影までは約40分。
地元の若者も乗り込んでいる。
目の前に女子高生がふたり立つ。

 女1「今なんのバイトしてんの?」
 女2「んー、コンビニだよ、すっげーダリィよ」
 女1「イヤな人とか来て疲れねー?」
 女2「イヤな人ねー。ムスっとしてる人とか、なんだよって思っちゃうよ。
    釣りも渡したくない。おばあちゃんとかおじいちゃんはにこやかで良いんだけど…
    30代後半ぐらいの?そのへんの奴が多いかな」
 女1「えぇー!30代後半って、一番キモいよねー」

 …云々

すみません、30代後半で…(涙)

汽車はガトゴト走り続け、僕は出発点の駅にいよいよ降り立った。



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